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逃亡の果てに

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「ところで、君はなぜ捕まったんだ?」

 「ちょっとこの城のことが知りたくてな。
でも、忍び込んだら、悪党の巣窟になってて…」

 「この城のお宝でも探しに来たのか?」

 「まぁ、そんなところだ。」



ふたりの会話を聞いて、なんだか不思議な気がした。
 私達は、どこかに売られるかもしれないのに、どうしてこんなに落ち着いてるんだろう?って。



 「ここにはどのくらいの人数がいるんだ?」

 「そうだな、多く見積もっても20人はいない。
ここには浮浪者もそこそこいるが、奴らは無害だ。」

 「なるほど…」

マリウスさんは、急に声を潜めて笑い出した。
 私にはその笑いの意味が分からず、黙ったまま、次の反応を待っていた。



 「俺は、ここを出るつもりだが、あんたたちはどうする?」

 「もちろん、私達もこんなところにいたくはない。」

 「そうか…じゃあ、決まりだな。」

そう言うと、マリウスさんは立ち上がり、指をぽきぽきと鳴らした。
そして、鉄格子の傍に行き…がちゃがちゃという音がしたかと思うと、次に鍵の外れる音がした。



 「……行こうか。」

マリウスさんは扉を開き、びっくりする間もなく、フェルナンさんと私もその後に続いた。

 
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