191 / 308
side 香織
4
しおりを挟む
*
(夏美さん…どうして……)
奥様が夏美さんを見間違えるはずはない。
外車に載ってた男性は、私が地下街で見かけた人ときっと同じ人だと思う。
会社帰りに会うならまだしも、家の近くまで来るなんてあまりにも酷い。
誰かに見られるって心配はないんだろうか?
だけど、堤さんの家で見た二人の様子はとても仲が良く、夏美さんが堤さんのことを大切に想われてるっていうことが言葉や態度の端々から現れていて……
それなのに、浮気するなんて、私にはいまだに信じられない想いだった。
多分……夏美さんのその気持ちは変わらないと思う。
変わらないからこそ、浮気は浮気と割り切れるのかもしれない。
だけど、堤さんは夏美さんみたいに強くない。
そんなことくらい、夏美さんにもわかってるはずなのにどうして……
とにかく、今、私に出来ることは、夏美さんのことが堤さんにバレないようにすること。
とはいえ、それだって私にはたいしたことは出来ない。
四六時中、堤さんにくっついてることなんて出来ないんだから……
(私って、なんて無力なんだろう……)
自分の非力さをまざまざと痛感し、気持ちは滅入ったけど……
そんなことは言ってられない。
私は自分の出来る範囲で堤さんを守ろうと、そう強く決意した。
(夏美さん…どうして……)
奥様が夏美さんを見間違えるはずはない。
外車に載ってた男性は、私が地下街で見かけた人ときっと同じ人だと思う。
会社帰りに会うならまだしも、家の近くまで来るなんてあまりにも酷い。
誰かに見られるって心配はないんだろうか?
だけど、堤さんの家で見た二人の様子はとても仲が良く、夏美さんが堤さんのことを大切に想われてるっていうことが言葉や態度の端々から現れていて……
それなのに、浮気するなんて、私にはいまだに信じられない想いだった。
多分……夏美さんのその気持ちは変わらないと思う。
変わらないからこそ、浮気は浮気と割り切れるのかもしれない。
だけど、堤さんは夏美さんみたいに強くない。
そんなことくらい、夏美さんにもわかってるはずなのにどうして……
とにかく、今、私に出来ることは、夏美さんのことが堤さんにバレないようにすること。
とはいえ、それだって私にはたいしたことは出来ない。
四六時中、堤さんにくっついてることなんて出来ないんだから……
(私って、なんて無力なんだろう……)
自分の非力さをまざまざと痛感し、気持ちは滅入ったけど……
そんなことは言ってられない。
私は自分の出来る範囲で堤さんを守ろうと、そう強く決意した。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。
天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」
目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。
「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」
そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――?
そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た!
っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!!
っていうか、ここどこ?!
※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました
※他サイトにも掲載中
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。
たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。
わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。
ううん、もう見るのも嫌だった。
結婚して1年を過ぎた。
政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。
なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。
見ようとしない。
わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。
義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。
わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。
そして彼は側室を迎えた。
拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。
ただそれがオリエに伝わることは……
とても設定はゆるいお話です。
短編から長編へ変更しました。
すみません
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる