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side 香織
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「わぁ、このハンバーグ、チーズが入ってる~!」
小太郎ちゃんは、時に嫌いなものはないとのことだったので、ハンバーグの中にチーズを入れてみたら、とてもおいしそうに食べてくれた。
「小太郎ちゃん、あれからどうしてたの?」
「ゴーヤーマンのDVD見てた。」
「そっか~…
えらいね。」
「パパにもちゃんと言っといたよ。
6時におばちゃんが来るから、パパは寝とくようにって。
だから、パパは今寝てるんだよ。
起こさないでって言ってた。」
「そう…ありがとうね。」
こんな子供がいたら……
小太郎ちゃんがあまりに可愛いから、私はまたそんなことを考えてしまった。
最近は四十代でも子供を産む人はたくさんいるけど、私はそれ以前に結婚が出来ないだろうから……
かといって、シングルマザーになれるような精神面での強さはないし、経済的にもとても無理だ。
「小太郎ちゃん……これからもお店に来てね!」
「え…?」
「あ…なんでもないの。
ごめんね、変なこと言っちゃって。」
旦那様は、降りて来られなかった。
余程、体調が悪いのかと心配になったけど、寝てらっしゃったら声をかけて起こすのも申し訳ない。
お腹がすいたら食べられるようにと、一応、おかゆだけ作っておいた。
小太郎ちゃんのごはんが済むと、私は奥様の夕飯に取り掛かった。
ママは塩さばが好きだって、小太郎ちゃんが教えてくれたから、塩さばを買っておいた。
(でも、ハンバーグと塩さばなんておかしな取り合わせだわ。
もっと考えて買えば良かった……)
そんなことを考えながらさばを焼いていると、玄関のチャイムが鳴った。
「わぁ、このハンバーグ、チーズが入ってる~!」
小太郎ちゃんは、時に嫌いなものはないとのことだったので、ハンバーグの中にチーズを入れてみたら、とてもおいしそうに食べてくれた。
「小太郎ちゃん、あれからどうしてたの?」
「ゴーヤーマンのDVD見てた。」
「そっか~…
えらいね。」
「パパにもちゃんと言っといたよ。
6時におばちゃんが来るから、パパは寝とくようにって。
だから、パパは今寝てるんだよ。
起こさないでって言ってた。」
「そう…ありがとうね。」
こんな子供がいたら……
小太郎ちゃんがあまりに可愛いから、私はまたそんなことを考えてしまった。
最近は四十代でも子供を産む人はたくさんいるけど、私はそれ以前に結婚が出来ないだろうから……
かといって、シングルマザーになれるような精神面での強さはないし、経済的にもとても無理だ。
「小太郎ちゃん……これからもお店に来てね!」
「え…?」
「あ…なんでもないの。
ごめんね、変なこと言っちゃって。」
旦那様は、降りて来られなかった。
余程、体調が悪いのかと心配になったけど、寝てらっしゃったら声をかけて起こすのも申し訳ない。
お腹がすいたら食べられるようにと、一応、おかゆだけ作っておいた。
小太郎ちゃんのごはんが済むと、私は奥様の夕飯に取り掛かった。
ママは塩さばが好きだって、小太郎ちゃんが教えてくれたから、塩さばを買っておいた。
(でも、ハンバーグと塩さばなんておかしな取り合わせだわ。
もっと考えて買えば良かった……)
そんなことを考えながらさばを焼いていると、玄関のチャイムが鳴った。
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