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side 優一

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 「遅くなりました。」



 家に着いたのは6時を少し回った頃だった。
 診察の時間までにかなり待たされ、ようやく僕の番が来て、幸いにもインフルの検査は陰性だったものの、点滴をすることになり、結局、そんな時間になってしまった。



 「お疲れ様です。」

 「本当にすみません。
 今日はほとんどなにも食べてないとか、早く元気になりたいなんて言ったせいか、点滴までされちゃって……」

 「パパー!
おばちゃんにオムライス作ってもらった!」

 「え…?」



そういえば、小太郎にはいつも6時頃に食事をさせてるけど……


「そんなことまで……本当に申し訳ありません。」

 「いえ、それと、おかゆも作ったんですけど……食べられますか?」

 「え……」


 食欲はなかったが、せっかく作ってもらって食べないっていうのも、なにか悪いような気がして、少しだけいただくことにした。
 薬も食後に飲まなくてはいけないから、何であれ少しは胃に入れとかないと……



「あ、ママ、今日は早く帰って来るって。」

 「電話があったのか?」

 「ううん、僕が電話したの。
パパが病気で病院に行ったって言ったから。」

 「そうか……」


おかゆにうまいもまずいもなさそうなものだけれど、彼女の作ってくれたおかゆは口当たりが良く、どこか懐かしいような気がした。
ずっと昔……僕が、今みたいに風邪をひいた時、母さんが作ってくれたおかゆを思い出した。
それはきっと、おかゆなんてものを久しぶりに食べたからだろうけど…… 
 
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