幸せの花が咲く町で

ルカ(聖夜月ルカ)

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「じゃあ、僕はこっち使うから、なっちゃんはこっち使って。」

 「私は小さい方で良いよ。」

 「小太郎もいるんだから。」



 僕が八畳の方を使うことにした。
 今まで僕が住んでたアパートは、六畳のワンルームだったし、こっちには広いクローゼットまでついてるから八畳でもずいぶん広く感じる。
 僕の荷物はあらかた処分することにした。
 持って来るのは、パソコンやテレビ等の家電くらいのものだ。
ここには必要なものはたいがい揃ってるから。
なっちゃんの家具の配置等を決めてから、僕達は、夕飯の食材を買いに行くことにした。



 「あ……」

 家を出ると、小太郎が庭の方に駆け出していった。



 「パパ、すごい草だね。」

 「……本当だな。」

きっと、ここには季節ごとに様々な花がたくさん咲いてたんだろう。
それが手入れをせずに放っていた間に、雑草だらけになり、母さんが植えていた花はどこにあるのかもわからない有様だ。



 「母さんが花壇を作ったから、車で来ても停める所はないぞ。」

いつか父さんがそんなことを言っていた。
そういえば、母さんはよく花の話をしてたけど、僕は花には関心がないからってそんな話にはいいかげんに相槌を打つだけで……
そんなことを思い出すと、僕は罪悪感に押しつぶされそうになり、衝動的に庭の草をむしり始めていた。



 「こた…ちょっと、草むしりしてから行こう!」

なっちゃんも、そして小太郎までもが僕の傍で草をむしり始めた。



 僕は、どれほど両親をないがしろにしていたのだろう…
仕事、仕事って、自分のことばかりで……
記念日に申し訳程度の贈り物をするだけで、親孝行をしてるような気になって……



涙がこみあげた。
 今更こんなことをしたところで、罪滅ぼしにもならないだろうけど……
それでも、僕の手は止まることはなかった。
なっちゃんや小太郎も、黙って僕を手伝ってくれて……


しばらくした頃には、さっきまで見えなかった地面が姿を現し、庭の片隅にはこんもりとした雑草の山が出来ていた。 
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