12 / 308
side 優一
12
しおりを挟む
*
「やっぱり、ごはんじゃないと食べた気がしないな。」
ピザを二枚も食べて、そんなことを言うなっちゃんに、僕は思わず失笑した。
「優一……明日はスーパーに買い物に行こうよ。」
「う、うん。」
それだけだった。
なっちゃんは、それ以上のことは何も言わずに、その後もごく他愛ない会話しかなかった。
本当はいろいろと言いたいことや聞きたいことがあったんじゃないかって思うんだけど、なっちゃんは僕にそういうことを訊ねることはなかった。
「パパ、これからずっとここにいるの?」
「小太郎…僕はパパじゃないよ。
僕はなっちゃんの弟。」
「ふぅ~ん…」
両親の一周忌の時も、小太郎は僕のことをパパと呼んだ。
あの時より大きくなって、喋る言葉もうんと増えたけど、まだこういうことはよくわからないようだ。
「パパはずっとここにいるよ。」
「なっちゃん!そんなこと言ったら、小太郎が混乱するよ。」
「いいの、いいの。
こた、パパがいなくて寂しかったんだもんね。
よかったね、パパが来てくれて……」
「うん!」
今の言葉で、なっちゃんはきっと離婚したんだろうって思った。
そういえば、以前、両親の家になっちゃんが遊びに来た時も、亮介さんは仕事で来られなかったって母さんが言ってたことを思い出した。
「やっぱり、ごはんじゃないと食べた気がしないな。」
ピザを二枚も食べて、そんなことを言うなっちゃんに、僕は思わず失笑した。
「優一……明日はスーパーに買い物に行こうよ。」
「う、うん。」
それだけだった。
なっちゃんは、それ以上のことは何も言わずに、その後もごく他愛ない会話しかなかった。
本当はいろいろと言いたいことや聞きたいことがあったんじゃないかって思うんだけど、なっちゃんは僕にそういうことを訊ねることはなかった。
「パパ、これからずっとここにいるの?」
「小太郎…僕はパパじゃないよ。
僕はなっちゃんの弟。」
「ふぅ~ん…」
両親の一周忌の時も、小太郎は僕のことをパパと呼んだ。
あの時より大きくなって、喋る言葉もうんと増えたけど、まだこういうことはよくわからないようだ。
「パパはずっとここにいるよ。」
「なっちゃん!そんなこと言ったら、小太郎が混乱するよ。」
「いいの、いいの。
こた、パパがいなくて寂しかったんだもんね。
よかったね、パパが来てくれて……」
「うん!」
今の言葉で、なっちゃんはきっと離婚したんだろうって思った。
そういえば、以前、両親の家になっちゃんが遊びに来た時も、亮介さんは仕事で来られなかったって母さんが言ってたことを思い出した。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
白い結婚の行方
宵森みなと
恋愛
「この結婚は、形式だけ。三年経ったら、離縁して養子縁組みをして欲しい。」
そう告げられたのは、まだ十二歳だった。
名門マイラス侯爵家の跡取りと、書面上だけの「夫婦」になるという取り決め。
愛もなく、未来も誓わず、ただ家と家の都合で交わされた契約だが、彼女にも目的はあった。
この白い結婚の意味を誰より彼女は、知っていた。自らの運命をどう選択するのか、彼女自身に委ねられていた。
冷静で、理知的で、どこか人を寄せつけない彼女。
誰もが「大人びている」と評した少女の胸の奥には、小さな祈りが宿っていた。
結婚に興味などなかったはずの青年も、少女との出会いと別れ、後悔を経て、再び運命を掴もうと足掻く。
これは、名ばかりの「夫婦」から始まった二人の物語。
偽りの契りが、やがて確かな絆へと変わるまで。
交差する記憶、巻き戻る時間、二度目の選択――。
真実の愛とは何かを、問いかける静かなる運命の物語。
──三年後、彼女の選択は、彼らは本当に“夫婦”になれるのだろうか?
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~
marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」
「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」
私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。
暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。
彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。
それなのに……。
やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。
※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。
※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる