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アイマスク(いて座)
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「弱音を吐くな!このくらいのこと、なんだ!」
「そんなこと言ったって係長…
こんなにあるんですよぉ…」
大下が書類の山を恨めしそうにみつめながら、情けない声を出した。
いきなり舞いこんだ急ぎの仕事に、皆が不満を漏らす中、松田係長だけが明るい笑みを浮かべてた。
松田係長は31歳、独身。
いわゆる、細マッチョな体型に、凛々しい…まるで昔の武士を思わせるような顔つきをしている。
エネルギッシュで正義感に溢れ、部下の面倒見も良く、職場の誰からも好かれている。
言ってみれば、パーフェクトに近い存在だ。
強いて、欠点を言うならば…
「この仕事が終わるまで、今日は全員残業だ。
いや…夕飯だっておあずけだ!」
「ええーーーーーっっ!」
皆の不満の声が、部屋の中に一斉に響いた。
そう、松田係長は、かなりなSなのだ。
松田係長が今も彼女がいないのは、このドSのせいだという噂まである。
それでちょっとひいたっていう女子社員もいるけど、なぜ?
私はそんなの全然良いと思うんだけど…
ただ、今日の残業はちょっと困るけど…
*
「じゃあ、また明日ね~!」
仕事は無事に片付いた。
どんな無茶なことでも、松田係長は言い出したら聞かない事を知ってるから、皆にも気合いが入る。
松田係長ももしかしたら気合いを入れて頑張れば、必ずなんとか出来る仕事だとわかって言ったのかもしれない。
私は週に三日程、友達にもナイショのバイトをしている。
しかも、今日はそのバイトの入っている日だ。
だから、今日、残業になると困ると思い、かなり頑張った。
同僚の女の子達はお疲れ会ということで、これから飲みに行くらしいけど、私は飲みに行かなくてもバイトで発散出来る。
SMに興味はあっても、やはりどこかまだ踏みきれない…そんな者達がちょっとした刺激を求めてやってくる「なんちゃってSM」的な店。
私も、本当の意味での女王様だというわけではなく、コスプレに興味があったのとちょっとした好奇心…そして、時給の良さに釣られて始めただけ。
Sでもなんでもない。
でも、最初は鞭で叩くのでさえ躊躇ってた私が、今は何の躊躇いもなく叩けるようになったし、縛るのも店で一番うまいと言われている。
「そんなこと言ったって係長…
こんなにあるんですよぉ…」
大下が書類の山を恨めしそうにみつめながら、情けない声を出した。
いきなり舞いこんだ急ぎの仕事に、皆が不満を漏らす中、松田係長だけが明るい笑みを浮かべてた。
松田係長は31歳、独身。
いわゆる、細マッチョな体型に、凛々しい…まるで昔の武士を思わせるような顔つきをしている。
エネルギッシュで正義感に溢れ、部下の面倒見も良く、職場の誰からも好かれている。
言ってみれば、パーフェクトに近い存在だ。
強いて、欠点を言うならば…
「この仕事が終わるまで、今日は全員残業だ。
いや…夕飯だっておあずけだ!」
「ええーーーーーっっ!」
皆の不満の声が、部屋の中に一斉に響いた。
そう、松田係長は、かなりなSなのだ。
松田係長が今も彼女がいないのは、このドSのせいだという噂まである。
それでちょっとひいたっていう女子社員もいるけど、なぜ?
私はそんなの全然良いと思うんだけど…
ただ、今日の残業はちょっと困るけど…
*
「じゃあ、また明日ね~!」
仕事は無事に片付いた。
どんな無茶なことでも、松田係長は言い出したら聞かない事を知ってるから、皆にも気合いが入る。
松田係長ももしかしたら気合いを入れて頑張れば、必ずなんとか出来る仕事だとわかって言ったのかもしれない。
私は週に三日程、友達にもナイショのバイトをしている。
しかも、今日はそのバイトの入っている日だ。
だから、今日、残業になると困ると思い、かなり頑張った。
同僚の女の子達はお疲れ会ということで、これから飲みに行くらしいけど、私は飲みに行かなくてもバイトで発散出来る。
SMに興味はあっても、やはりどこかまだ踏みきれない…そんな者達がちょっとした刺激を求めてやってくる「なんちゃってSM」的な店。
私も、本当の意味での女王様だというわけではなく、コスプレに興味があったのとちょっとした好奇心…そして、時給の良さに釣られて始めただけ。
Sでもなんでもない。
でも、最初は鞭で叩くのでさえ躊躇ってた私が、今は何の躊躇いもなく叩けるようになったし、縛るのも店で一番うまいと言われている。
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