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香りの良いお茶(てんびん座)

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「いかがですか?レヴ様…」

「……素晴らしい。
今までに味わったことのない味と香りだ。」



レヴは、満足げに微笑み、静かにカップを置いた。



「しかも、色も美しい。
まるで湖のように深い緑色だ。」

「私はこんな色のお茶は初めて見ましたよ。」

二人はカップの中のお茶に目を落とし、感心したように呟いた。



「私もだ…
異国には面白いものがあるものだな。」

「本当に…」

レヴとヴェールは顔を見合わせ、にっこりと微笑む。



「このお茶には専用の茶器もあるようですが、この度はそれが手に入らなかったそうなのです。」

カトリーヌは、済まなさそうにわずかに眉を寄せた。



「ほぅ…茶葉が違うと、茶器も変わるのか…」

「はい、なんでももう少し小さめで持ち手のないカップを使うのだとか。」

「持ち手がない!?
それでは、テーブルの上に置いたままのむのでしょうか?」

「ヴェール…置いたままでは飲めないだろう。
……おそらく、カップをじかに手で持つのではないだろうか。」

「なるほど…でも、それだと手が熱そうですね。」



「そうだわ!もしかしたら、ものすごく厚みのある茶器なのではないでしょうか?
厚ければ、熱さが伝わりにくいのでは…?」

「そうか…だから、重みがある分、茶器が小さいということなのかもしれないな…
ぜひとも、異国の茶器でもう一度このお茶を飲んでみたいものだ。」

そう言って、レヴはカップに残ったお茶を飲み干した。 
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