あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!

ルカ(聖夜月ルカ)

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「何かお腹すいてきちゃった。
食べるものある?」

「あ…甘いものでも良いですか?」

「甘いもの?良いね。」

今日は、実はこっそりと作っておいたものがあったんだ。
早速、食べてもらえる機会が来たとは…



「はい、どうぞ。」

「あっ!」

樹生さんの目は、皿の上のものに釘付けになっていた。



「食べてみて下さい。」

「……うん。」

樹生さんが、それに手を伸ばした。



「……どうですか?」

「うん…この味だよ。
すごく懐かしいな。
君も食べなよ。」

「はい。」

私は、樹生さんと一緒にそれを食べた。
パンの耳を揚げて、砂糖をまぶしただけの素朴なお菓子を。



樹生さんみたいなセレブに、こんなもの、どうだろう?って思ったんだけど、
これなら私にも作れるし、いつか作ってあげたいなって思ってたんだ。
喜んでもらえて良かったよ。



「ありがとう、奈美……」

そう言って、樹生さんは私を抱き寄せ口付ける…
それは、とても甘いキスだった。



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