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やけどは多少の痛みはあったけど、日一日と状態は回復して行った。
万一のことを考えて、出社はほぼ樹生さんの車で行くことにして、帰りも、樹生さんが忙しい時以外は樹生さんと一緒に帰り、一緒に帰れない時は、ちょっともったいないけどタクシーで帰宅した。
そんな感じだから、一緒にいる時間も今までより増えたし、私たちの仲もますます良くなっていた。
まぁ、自分の気持ちに気が付いたっていうのが大きかったのかもしれないけど…
そんなある日のこと…
その日は、樹生さんは少し帰りが遅くて…
帰って来た樹生さんは、ほのかにお酒のにおいがした。
「おかえりなさい。あっ!」
出迎えた玄関先で、私はいきなり抱きしめられて、思わず声をあげてしまった。
「もう心配はいらないよ。
二階堂さんが、わかってくれてね。
これからも変わらず、父の会社と取引してくれるらしいんだ。」
「そうなんですか。良かった!」
「うん、良かったよ。」
樹生さんは、本当に嬉しそうだった。
その顔を見ていたら、私まで笑顔になれた。
「ねぇ、少し飲もうよ。」
「そうですね。」
私は滅多に飲まないけど、たまに樹生さんが飲みたいっていうことがあるから、お酒はいつもストックしてある。
その中から、ちょっと良いワインを用意した。
「乾杯しよう。」
「何に乾杯ですか?」
「揉め事が片付いたことに、だね。」
「そうですね。」
私達は、グラスを合わせた。
今日の樹生さんは、本当にご機嫌だ。
やっぱり、相当気にしてたんだろうね。
今日は顔が晴れ晴れしてるよ。
万一のことを考えて、出社はほぼ樹生さんの車で行くことにして、帰りも、樹生さんが忙しい時以外は樹生さんと一緒に帰り、一緒に帰れない時は、ちょっともったいないけどタクシーで帰宅した。
そんな感じだから、一緒にいる時間も今までより増えたし、私たちの仲もますます良くなっていた。
まぁ、自分の気持ちに気が付いたっていうのが大きかったのかもしれないけど…
そんなある日のこと…
その日は、樹生さんは少し帰りが遅くて…
帰って来た樹生さんは、ほのかにお酒のにおいがした。
「おかえりなさい。あっ!」
出迎えた玄関先で、私はいきなり抱きしめられて、思わず声をあげてしまった。
「もう心配はいらないよ。
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「そうなんですか。良かった!」
「うん、良かったよ。」
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その中から、ちょっと良いワインを用意した。
「乾杯しよう。」
「何に乾杯ですか?」
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「そうですね。」
私達は、グラスを合わせた。
今日の樹生さんは、本当にご機嫌だ。
やっぱり、相当気にしてたんだろうね。
今日は顔が晴れ晴れしてるよ。
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