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「あんたなんて死んでしまえば良い!」
「きゃあ!」
二階堂さんは熱い紅茶を私に浴びせ、大きな声で笑った。
私は為す術もなく、ただ泣きながら、その場から飛び出した。
外に出て、タクシーを止め、家に向かった。
タクシーの中でも涙はなかなか止まらない。
二階堂さんの射るような視線が…
酷い言葉が頭の中をぐるぐる回ってた。
怖くて、情けなくて、悔しくて…体が震える。
何とか家にたどり着いた私は、寝室に閉じこもった。
川北さんが心配して声をかけてくれたけど、まともに答えられなかった。
そのうち、川北さんが帰って…
そしたら、妙に心細くなって来て、涙はますます勢いを増した。
樹生さんはきっと今夜も遅いだろうし…
しっかりしなくちゃ。
もう、二階堂さんはいないんだから、心配ない。
まさか、ここには来ないだろうし。
そう思った瞬間…物音がして、誰かが中に入ってくる気配がした。
そ、そんな、まさか…
二階堂さんがここまで着いてきたの!?
言い知れぬ恐怖に身を固くした時、寝室のドアが開き、私は反射的に目を閉じた。
「きゃあ!」
二階堂さんは熱い紅茶を私に浴びせ、大きな声で笑った。
私は為す術もなく、ただ泣きながら、その場から飛び出した。
外に出て、タクシーを止め、家に向かった。
タクシーの中でも涙はなかなか止まらない。
二階堂さんの射るような視線が…
酷い言葉が頭の中をぐるぐる回ってた。
怖くて、情けなくて、悔しくて…体が震える。
何とか家にたどり着いた私は、寝室に閉じこもった。
川北さんが心配して声をかけてくれたけど、まともに答えられなかった。
そのうち、川北さんが帰って…
そしたら、妙に心細くなって来て、涙はますます勢いを増した。
樹生さんはきっと今夜も遅いだろうし…
しっかりしなくちゃ。
もう、二階堂さんはいないんだから、心配ない。
まさか、ここには来ないだろうし。
そう思った瞬間…物音がして、誰かが中に入ってくる気配がした。
そ、そんな、まさか…
二階堂さんがここまで着いてきたの!?
言い知れぬ恐怖に身を固くした時、寝室のドアが開き、私は反射的に目を閉じた。
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