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次の日は、多少ぎくしゃくはしながらも、傍目にはわからない程度には普通になって…
朝は、樹生さんの運転する車で一緒に出社した。
三日ぶりの出社だ。
「どうなの?体調は…」
「あ、ごめんね。
もう大丈夫だよ。
ちょっと疲れが出たみたい。」
精神的に落ちてたなんて言えないから、適当なことを言った。
「そうだよね。
結婚式があって、新婚旅行に行って…だもんね。
きっと疲れが出たんだよ。」
「そ、そうだね。」
お昼はいつものように相田さんとランチに行った。
本当なら樹生さんとのことを相談したいところだけど、さすがに言えない。
相田さんじゃなくても、きっと誰にも言えない。
律子にも他の友達にも、いや、たとえお母さんにも…
誰かに聞いて欲しい気持ちは強いんだけど、やっぱり今は言えないな。
樹生さんの隠してることがもう少しくらいわかってからじゃないとね。
私って見栄っ張りなのかな。
人に弱みを見せるのがいやなのかな?
「……どうかしたの?」
「え?あ、あぁ、なんでもない。」
私は作り笑顔でそう答えた。
誰かと一緒にいる時は、ぼーっとしないようにしなくちゃ。
朝は、樹生さんの運転する車で一緒に出社した。
三日ぶりの出社だ。
「どうなの?体調は…」
「あ、ごめんね。
もう大丈夫だよ。
ちょっと疲れが出たみたい。」
精神的に落ちてたなんて言えないから、適当なことを言った。
「そうだよね。
結婚式があって、新婚旅行に行って…だもんね。
きっと疲れが出たんだよ。」
「そ、そうだね。」
お昼はいつものように相田さんとランチに行った。
本当なら樹生さんとのことを相談したいところだけど、さすがに言えない。
相田さんじゃなくても、きっと誰にも言えない。
律子にも他の友達にも、いや、たとえお母さんにも…
誰かに聞いて欲しい気持ちは強いんだけど、やっぱり今は言えないな。
樹生さんの隠してることがもう少しくらいわかってからじゃないとね。
私って見栄っ張りなのかな。
人に弱みを見せるのがいやなのかな?
「……どうかしたの?」
「え?あ、あぁ、なんでもない。」
私は作り笑顔でそう答えた。
誰かと一緒にいる時は、ぼーっとしないようにしなくちゃ。
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