あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!

ルカ(聖夜月ルカ)

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「東條さん!」

オフィスに戻ったら、三沢さんがやって来た。



「はい。」

「さっき、社長から連絡がありました。
どうもありがとうございます。」

「いえ…良かったです。」

「でも、すぐには帰って来られないみたいですね。
まぁ、ドイツまで行かれてるのなら仕方ないですよね。」



ドイツ?
樹生さんは、今、ドイツにいるの!?
なんで!?



「確か、新婚旅行は国内に行かれたんですよね?
なのに、どうしておひとりでドイツに?」

「え…っと。
国内に行ったのは私の希望でして…
ドイツには、そ、その…お友達に結婚の報告をしに…」

「あら、結婚のご報告なら、奥様も一緒に行かれれば良ろしかったのに…」

「そ、それが…その…
わ、私、高所恐怖症で、長時間、飛行機に乗るのがいやで…」

「あぁ、それで、新婚旅行も国内にされたんですね。」

「え、ええ、まぁ…」

嘘に嘘を重ねた。
でも、三沢さんはどうにかその嘘を信じてくれたみたいだ。
三沢さんと別れて自分の席についた途端、なんだか力が抜けた。



ドイツって何なのよ。
すぐ近くに出張に行くようなことを言って、ドイツ?
一体、どういうこと?
私、ドイツなんて行ったことないんだけど…
って、そんなことはどうでも良いけど、どうして樹生さんはドイツにいるの!?
私の頭の中は、そのことでいっぱいになっていた。
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