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「ねぇねぇ、社長って出張じゃなかったの?」
「え……えっと、実は、まだ秘密のプロジェクトがあるらしくって…
実はその関連で行ってるんだ。
みんなには出張って言っといてって言われてたから…ごめんね…」
私はもっともらしい嘘を吐いた。
とっさの割には、それっぽいこと言えたかな?
「なんだ、そういうことか。
でも、秘書の三沢さんにまで秘密って、すごいね。」
「ほ、本当だね。
私にも内容は秘密なんだ。」
そう言って私は笑ってみせた。
でも、心の中は曇り空だった。
樹生さん、どうして嘘なんて吐いたんだろう?
私には出張って言ってて、三沢さんにはプライベートな休暇だなんて。
一体、どっちが本当なの?
「このハンバーグ、大きいし美味しいね。」
「え?あ…あぁ、美味しいね。」
そうは言ったけど、本当は味なんて全然わからなかった。
プライベートな休暇なのか、出張なのか、そのことがずっと気になって…
そこへ突然LINEが届いた。
画面を見たら、樹生さんからだった。
『三沢君には連絡したから。』
すごく素っ気ない返信だけど、とりあえず、私のLINEは読んでくれてるんだと思ったら、なんとなくほっとした。
三沢さんの電話には出なかったみたいだから、それよりはマシだよね。
「ねぇねぇ、社長って出張じゃなかったの?」
「え……えっと、実は、まだ秘密のプロジェクトがあるらしくって…
実はその関連で行ってるんだ。
みんなには出張って言っといてって言われてたから…ごめんね…」
私はもっともらしい嘘を吐いた。
とっさの割には、それっぽいこと言えたかな?
「なんだ、そういうことか。
でも、秘書の三沢さんにまで秘密って、すごいね。」
「ほ、本当だね。
私にも内容は秘密なんだ。」
そう言って私は笑ってみせた。
でも、心の中は曇り空だった。
樹生さん、どうして嘘なんて吐いたんだろう?
私には出張って言ってて、三沢さんにはプライベートな休暇だなんて。
一体、どっちが本当なの?
「このハンバーグ、大きいし美味しいね。」
「え?あ…あぁ、美味しいね。」
そうは言ったけど、本当は味なんて全然わからなかった。
プライベートな休暇なのか、出張なのか、そのことがずっと気になって…
そこへ突然LINEが届いた。
画面を見たら、樹生さんからだった。
『三沢君には連絡したから。』
すごく素っ気ない返信だけど、とりあえず、私のLINEは読んでくれてるんだと思ったら、なんとなくほっとした。
三沢さんの電話には出なかったみたいだから、それよりはマシだよね。
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