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その晩はなかなか眠れなかった。
私の部屋はまだそのまんまだったから落ち着くはずなのに、なんだか気持ちがざわざわしてた。
考えてみれば、私に婚約しようと言ったから、樹生さんには付き合ってる人がいなかった、とは限らないんだよね。
付き合ってる人がいたけどお見合いの話が来て、そこで私と出会って、私と婚約しようと決めた、ということだって有り得るんだ。
そんなことを思ったら、ますます心はざわめいた。
付き合ってた人は絶対に怒るよね?
じゃあ、どうする?
あ、お金で解決って手があるか…
樹生さん、お金持ちだもんね。
付き合ってた人がそういうタイプじゃなかったら…
まさか…世を儚んで…
ふと頭に浮かんだ嫌な想像に、背筋がぞくっとした。
いやいや、さすがにそれは考え過ぎだ。
そんなことがあったら、樹生さんだって、冷静ではいられないはず。
特に、樹生さんには変わった様子はなかったから、それはないよ。
落ち着かなきゃ。
お父さんや律子にちょっと言われたくらいで、気にしすぎだよ。
そう思った時に、律子の話を思い出した。
そういえば、律子の同僚の旦那さん…新婚旅行から帰って来てすぐに、出張だって嘘吐いて愛人のところに行ったってことだったよね…
私の部屋はまだそのまんまだったから落ち着くはずなのに、なんだか気持ちがざわざわしてた。
考えてみれば、私に婚約しようと言ったから、樹生さんには付き合ってる人がいなかった、とは限らないんだよね。
付き合ってる人がいたけどお見合いの話が来て、そこで私と出会って、私と婚約しようと決めた、ということだって有り得るんだ。
そんなことを思ったら、ますます心はざわめいた。
付き合ってた人は絶対に怒るよね?
じゃあ、どうする?
あ、お金で解決って手があるか…
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落ち着かなきゃ。
お父さんや律子にちょっと言われたくらいで、気にしすぎだよ。
そう思った時に、律子の話を思い出した。
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