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そんなお店にも、東條さんは臆することなく入っていく。
私はドキドキしながら、東條さんの後を着いて行った。
あぁ、なんだか落ち着かない。
明らかに、私には場違いな場所だよ。
「東條様、いらっしゃいませ。」
店に入ってすぐ、綺麗な女性店員さんが近寄って来た。
名前を知ってるってことは、東條さんはここの常連なのかな?
っていうか、全然品物を見ないで奥に行くけど、どうしてだろう?
「ジュンはいる?」
「はい、すぐに呼んでまいります。」
進んだ先は、応接室みたいな部屋だった。
革張りのソファに腰を降ろした。
「よう、久しぶり!」
少しすると、背の高い男性が入って来て、片手を上げた。
多分、この人が東條さんの友達で、ここのオーナーだと思う。
まだ若い人なのに、宝石店のオーナーとはすごいね。
「久しぶりって程でもないだろ。」
「そうだっけ?ところで…」
ジュンさんが訝しげに私をみつめた。
「こちらは田中奈美さん。
今日は婚約指輪を買いに来た。
彼女に似合うものを選んでくれ。」
「えっ!ついに結婚するのか!?」
「あぁ…」
東條さん、ここでも言ってしまったよ。
もうどうなっても知らないんだから!
私はドキドキしながら、東條さんの後を着いて行った。
あぁ、なんだか落ち着かない。
明らかに、私には場違いな場所だよ。
「東條様、いらっしゃいませ。」
店に入ってすぐ、綺麗な女性店員さんが近寄って来た。
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っていうか、全然品物を見ないで奥に行くけど、どうしてだろう?
「ジュンはいる?」
「はい、すぐに呼んでまいります。」
進んだ先は、応接室みたいな部屋だった。
革張りのソファに腰を降ろした。
「よう、久しぶり!」
少しすると、背の高い男性が入って来て、片手を上げた。
多分、この人が東條さんの友達で、ここのオーナーだと思う。
まだ若い人なのに、宝石店のオーナーとはすごいね。
「久しぶりって程でもないだろ。」
「そうだっけ?ところで…」
ジュンさんが訝しげに私をみつめた。
「こちらは田中奈美さん。
今日は婚約指輪を買いに来た。
彼女に似合うものを選んでくれ。」
「えっ!ついに結婚するのか!?」
「あぁ…」
東條さん、ここでも言ってしまったよ。
もうどうなっても知らないんだから!
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