47 / 129
47
しおりを挟む
*
「えーーーっ!?」
お母さんが叫ぶ。
まぁ、それも当然だと思う。
東條さんはいきなり『お嬢さんを下さい。』なんて言ったんだから。
ここのところ、付き合ってる人はいなかった。
そのことは、お母さんも薄々気付いていたはず。
それなのに、こんなことになったら、そりゃあ驚くよね。
東條さんも東條さんだ。
何もいきなりそんなことを言わなくても…
「はしたない声を出してごめんなさいね。
あまりに驚いたものだから。」
お母さんはそう言って、ゆっくりとお茶を飲んだ。
「えっと…それで、東條さん、お仕事は?」
「はい、IT関連の会社を経営しております。」
「えっ!?社長さんなの?」
「あ、あの…お母さん。
私が今、働いてる会社の社長さんなんだ。」
「あら、そうなの?」
東條さんは、バッグの中から名刺を取り出し、お母さんに手渡した。
お母さんは、老眼鏡をかけて、それを見た。
「えっ!?ベリーヒルズビレッジ!?」
顔を上げたお母さんが、まじまじと私と東條さんを交互にみつめる。
こんなことなら、やっぱり言っとけば良かったな。
お母さん、きっとびっくりしてるよね。
私がベリーヒルズで働いてるなんて、思ってもいなかっただろうから。
「えーーーっ!?」
お母さんが叫ぶ。
まぁ、それも当然だと思う。
東條さんはいきなり『お嬢さんを下さい。』なんて言ったんだから。
ここのところ、付き合ってる人はいなかった。
そのことは、お母さんも薄々気付いていたはず。
それなのに、こんなことになったら、そりゃあ驚くよね。
東條さんも東條さんだ。
何もいきなりそんなことを言わなくても…
「はしたない声を出してごめんなさいね。
あまりに驚いたものだから。」
お母さんはそう言って、ゆっくりとお茶を飲んだ。
「えっと…それで、東條さん、お仕事は?」
「はい、IT関連の会社を経営しております。」
「えっ!?社長さんなの?」
「あ、あの…お母さん。
私が今、働いてる会社の社長さんなんだ。」
「あら、そうなの?」
東條さんは、バッグの中から名刺を取り出し、お母さんに手渡した。
お母さんは、老眼鏡をかけて、それを見た。
「えっ!?ベリーヒルズビレッジ!?」
顔を上げたお母さんが、まじまじと私と東條さんを交互にみつめる。
こんなことなら、やっぱり言っとけば良かったな。
お母さん、きっとびっくりしてるよね。
私がベリーヒルズで働いてるなんて、思ってもいなかっただろうから。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~
矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。
隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。
周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。
※設定はゆるいです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる