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 「シュミットさん、怪しい奴がいたんで連れて来ました。
こいつが、先日のコソ泥じゃないですか?」

コソ泥だって?
 最悪だ…そんなものに間違えられてしまったとは…



「おい、顔を上げろ!」

 俺は、片方の男に乱暴に前髪を掴まれ、顔を上げられた。



 久しぶりに見たシュミットさんは、頬がこけ、髪はほとんどが白くなっていて、あまりの変貌ぶりに俺は言葉を失った。
そのシュミットさんが、眼鏡をかけ、俺の顔を見た。
そして、次第にその目が大きくなって…



「……き、君は!」

 「……お久しぶりです。」

その言葉が、今、適切かどうかはわからなかったが、咄嗟に出たのはそんな言葉だったんだ。
 俺の正体がバレてしまった以上、追い出されるのは間違いない。
だが、コソ泥という濡れ衣くらいは晴れるだろう。



 「ジョシュア…!よく来てくれた!」

 「え?」

いきなりシュミットさんにきつく抱き締められて、俺は戸惑い、その場に立ち尽くしていた。
 俺の両側にいた男たちも、不思議そうな顔をしていた。
シュミットさんが涙を流していることに気付き、俺はますます混乱した。



なぜだ?
 俺はあんなに嫌われていたのに…
俺には、シュミットさんの涙の理由わけが、皆目わからなかった。
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