美しき微笑みのあの人に恋をした。

６０

悶々とする日々を重ねていたある日…



『次の水曜日、どうかな？』



唐突に海斗さんからメッセージが入った。



（えっ！？）



終わったんじゃなかったの！？
沈んでた心が、ぱっと明るくなった。



（だけど…）



こんなに急に会いたいなんてどういうことだろう？
まさか、あの最後の感想の文句を言われるんじゃ…
でも、そんなことでわざわざ呼び出す？



結局、コーヒーショップで５時に会うことになった。
なんで、そんな時間に？
今まではたいていお昼過ぎだったのに。
会える嬉しさよりも怖さの方が勝っていた。



まだ始まってもいなかった恋愛が、ここで終わってしまうとしたら…
あぁ、考えただけで泣きそうだよ。
こんなことなら、もっとまともな感想を書くべきだった。
でも、書けなかったんだよ。
私には薫さんみたいな上手い感想は書けないもの。



そして、日にちは瞬くうちに過ぎ去って、ついに約束の日がやって来た。