美しき微笑みのあの人に恋をした。

２５

そういえば、最初に小説を読むかって聞かれたね。
なるほど、わかったよ。
友達にそんなことを言われたから、普段から小説を読みそうにないタイプの人に読ませてみたかったんだね。
KRさんの意地…みたいなものかな？
それがたまたま私だったなんて、めちゃめちゃすごくない？
もしかして、運命的な恋なんじゃ…きゃ～！



「……もしかして、引いちゃった？」

「え？い、いえ、違います。
私、確かに小説には慣れてないし、読むの遅いですが、毎日、本当に楽しみにしてるんです。」

うん、それは本心だよ。
本当に楽しみにしてる。
まぁ、確かに、下心はありありだけど。



「……ありがとう。書く気力に繋がるよ。」



KRさんは、真剣な顔でそう言った。



やっぱり、小説を書いてる人は、自分の書いたものをたくさんの人に読んでもらいたいんだろうな。
だけど、KRさんはなかなか読んでもらえなかった。
だから、私が毎日読んで感想を送ることが、本当に、心の底から嬉しいんだね。
なんだか、ちょっとじわっと来たよ。
私ももう少し頑張って、これからはもっと長い感想を書いてあげよう。