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「あの……」

わぉ、低くて響きのある声…素敵!



「は、はい。」

大丈夫かな?
私、変な顔してない?
とりあえず、微笑んでみよう。



「君、小説とか読むタイプ?」

「え?!」

思ってた言葉と違うから、ちょっと戸惑ったけど…
小説は読まないな。
漫画はたまには読むけど。
でも、読むって言った方が良いのかな?
漫画しか読まないって言ったら、馬鹿と思われる?
でも、嘘は吐きたくないな、どうしよう?



「たとえば、携帯小説とか…」

「あ、あぁ、実はあんまり読んだことない、かなぁ?」

やっぱり嘘は吐けなくて、その分、笑って誤魔化した。



「やっぱりな。
じゃあ、良かったら読んでもらえないかな?」

「え?」

「ちょっと貸して。」

男性は、私のスマホを取り上げた。
え?何?
LINEの交換?
男性は、私のスマホで何事かやってる。



「君、名前は?」

「え、えっと、し、しの…じゃない、友香です。」

「どんな字?」

「友達の友と香りの香です。」

咄嗟にフルネームを答えそうになったけど、急に警戒感が発動して、苗字を言うのはやめ、名前だけ答えた。
でも、何してるの?
なんで、私の名前を知りたがるの?
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