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(昨日の俺はどうかしていた。)



昨夜はしこたま酒を飲んで、泥のように眠った。
朝になって目が覚めたら、ずいぶんと気分は良くなっていた。
昨夜、あんなに落ち込んだのが嘘みたいだった。



遥香からはLINEが2件入っていた。
仕事のことを心配するものと、おやすみの挨拶だ。
俺は飲んでたから気が付かなかった。



『昨夜は失礼しました。
お陰様で何とか間に合いました。』

完全な嘘だけど、とりあえず、それだけ送っておいた。



俺は、坂田をランチに誘った。



「どうだ、遥香さんとはうまくいってるのか?」

「あの…遥香さんのご両親はどんな方なんですか?」

「判事の山那信二郎は知ってるだろう?」

確かに、名前を聞いたような記憶はあったが、詳しくは知らなかった。



「名前くらいなら…」

「あぁ、おまえはアメリカにいたからな。
とても有名で有能な判事だ。」


遥香が判事の娘だということは以前聞いていた。



「山那判事の実家は医者の家系でな。
判事以外の兄弟は確か、医者だったんじゃないかな?
奥さんは元CAさんだ。
元々、山那家はそこらの地主で、資産家でみんな頭が良い。
所謂、エリートだな。」

ほぼ、俺が想像していた通りだった。
遥香は、俺とはまるで違う世界を生きてきた女性だ。
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