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「えっと……」

 柊司さんの部屋のソファに、私たちは少し離れて並んで腰かけた。



 「まず、謝るよ。
 最近は、イライラしててごめん。」

 「えっ!?そ、そんなこと、気にしてません。」

 「いや、僕が悪いんだ。
うまくいかないからって、イライラを君にぶつけてしまって、本当に申し訳ないと思ってる。」

 「……はい。」

 私は、柊司さんの謝罪を素直に受け入れた。
そうしないと、柊司さんは気が済まないだろうと思ったから。



 「繰り返しになるけど…
あの旅行の頃から、僕は、自分の気持ちがよくわからなくなっててね。
 酷く混乱してたんだ。
……でも、もう大丈夫だよ。
 今日、由紀子さんと会って、はっきりとわかったから。
 僕が好きなのは、由紀子さんじゃなくて君だった。
だから…これからは君に好かれるように努力をする。
 現実には結婚してるのにおかしいけど…良かったら、僕と付き合って下さい。」

 「えっ!?」

 本当に本当なの?
 柊司さんは、本当に私のことを?
 嬉しいはずの告白なのに、どうしても信じられない。



 「……だめかな?」

 「ち、違います。だめじゃないんです。
 私は…私は、最初から柊司さんが好きでした。」

 「そうじゃないでしょ。
 君は僕の顔が好きだったんだよね。」

 「はい、それはそうですが…すぐに柊司さんという人が好きになりました。
イケメンは、性格の悪い人が多いっていう噂を良く聞きますが、あなたは内面も完璧な人です。
 優しいし、可愛いところもあるし、素直だし…だから、どんどん好きになって…
でも、私…柊司さんは女性が嫌いなんだって…八重樫さんのことを愛してらっしゃるんだと思ってましたから、諦めないといけないと思ってました。」

 私は、初めて柊司さんに本心をぶちまけた。
 今まで言えなかった本心を…

 
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