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「……確かにそうかもしれませんね。
でも、悪いのはやっぱり私です。」

 「そうなんだ。
 君がそう思うなら、そうなのかもしれないね。」

 「はい、私…妹の気持ちがよくわかってなかったんです。
 血の繋がった妹なのに、わからなかった…
それは、やっぱり私のミスですよね。
それに、私は自分の夢を叶えたのに、泣き言を言った。
 妹は夢を諦めたのかどうかはわからないですが、叶えられなかったんだから、腹が立つのは当然ですよ。」

お釣りのことは、言いにくかったから、柊司さんには言わなかった。
こういうところ、私はずるいよね。



 「え?君は夢を叶えたの?」

 「え?あ…だ、だから…
イケメンと結婚するっていう夢ですから…」

 本人の前でそんなことを言うのは恥ずかしいけど、言わないわけにはいかない。



 「それって、本気だったの?」

 「本気ですよ!
 馬鹿みたいだって思われるかもしれませんけど、私は、本気で思ってたんです。」

 柊司さんはちょっと困ったような顔で微笑んだ。



 「馬鹿みたいだなんて思わないけど…
僕なんかで良かったの?」

 「え…ええ。夢は夢でしたけど、まさか本当に柊司さんみたいなイケメンと結婚出来るなんて、思ってはいませんでした。」

 「そっか。
お役に立てて良かったよ…」

 「柊司さんは、夢はあるんですか?」

 何気なく訊ねたその言葉に、柊司さんの顔は一瞬で暗く曇った。
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