上 下
390 / 401
良縁の赤い石

しおりを挟む
「わぁ!」
 「わお!」

 声の揃った私達は、思わず顔を見合わせて笑った。



 「ここまで気が合うと、なんだかおかしいね。」

 「本当ね。」

 今日は私の誕生日…そして、彼の誕生日。
 彼とは、春の合コンで知り合って、まだ付き合い始めたばかり。
 誕生日が同じ7月7日だってことだけでも驚いたけど、いざ、付き合ってみると共通点が多すぎて、ますます驚いた。
 私達は、まるでずっと昔から付き合ってるみたいに理解しあえて、本当にうまくいっている。



 今だってそう。
 私達は、誕生日のプレゼント交換をしたのだけど、彼が私にくれたのが、ペンダントで、私が彼に贈ったのがブレスレット。
それも、二人共ルビーのものだった。



 「いろいろ迷ったんだけどね。なんか、この赤に惹かれてね…」

 「うんうん、わかる。
それに、ルビーって魔除けにもなるし、『勝利』っていう宝石言葉らしいんだ。
 茂ちゃんにぴったりだと思ってね。」

 「ありがとう。早速使わせてもらうね。」

そう言って、茂ちゃんはブレスレットを腕に付けようとした。



 「あ、茂ちゃん、ルビーは右側に付けるのが良いんだって。」

 「へぇ、そうなんだ。ずいぶん詳しいね。」

 「……実は、お店で聞いたんだ。」

 「道理で詳しいはずだね。」

 茂ちゃんは、笑いながらブレスレットを右腕に付けた。



 「ねぇ、ルビーは絶対、右側じゃないとだめなのかな?」

 「え?右だと、違和感あるの?」

 茂ちゃんは首を振る。



 「近々、ケイにルビーの指輪を贈ろうと思ってるから。
 出来たら、左手の薬指に付けて欲しいんだけど…」

 「えっ…!?」

 「……早過ぎるかな?」

 「う、ううん。そんなことないよ!」

びっくりはしたけれど…近々、茂ちゃんがうちに来て、両親に挨拶することが決まった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

白露の蜘蛛はあなたを愛しましょう ~転生者以上にチート過ぎませんか~ (仮)

志位斗 茂家波
ファンタジー
転生者というのは、チートを持っているのがお決まりのようなもの 少年ルドはそんな転生者の一人だったが、そんなものは持っていなかったが、それでも平穏に暮らせる今世を楽しんでいた。 しかしある日、とんでもなくチートな魔獣が押しかけてきて…!! これは、チートを持たないのにチートを持つものに振り回される喜劇の物語である… ――― 小説家になろう様でも連載しております。 誤字脱字報告、その他意見などありましたら是非コメントをどうぞ。

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

【改訂版】ピンク頭の彼女の言う事には、この世は乙女ゲームの中らしい。

歌川ピロシキ
ファンタジー
エステルは可愛い。 ストロベリーブロンドのふわふわした髪に零れ落ちそうに大きなハニーブラウンの瞳。 どこか舌足らずの口調も幼子のように天真爛漫な行動も、すべてが愛らしくてどんなことをしてでも守ってあげたいと思っていた。 ……彼女のあの言葉を聞くまでは。 あれ?僕はなんで彼女のことをあんなに可愛いって思ってたんだろう? -------------- イラストは四宮迅様(https://twitter.com/4nomiyajin) めちゃくちゃ可愛いヴォーレを描いて下さってありがとうございます<(_ _)> 実は四月にコニーも描いていただける予定((ヾ(≧∇≦)〃)) -------------- ※こちらは以前こちらで公開していた同名の作品の改稿版です。 改稿版と言いつつ、全く違う展開にしたのでほとんど別作品になってしまいました(;´д`) 有能なくせにどこか天然で残念なヴィゴーレ君の活躍をお楽しみいただけると幸いです<(_ _)>

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

追放から始まる新婚生活 【追放された2人が出会って結婚したら大陸有数の有名人夫婦になっていきました】

眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです
ファンタジー
 役に立たないと言われて、血盟を追放された男性アベル。 同じく役に立たないと言われて、血盟を解雇された女性ルナ。  そんな2人が出会って結婚をする。 【2024年9月9日~9月15日】まで、ホットランキング1位に居座ってしまった作者もビックリの作品。  結婚した事で、役に立たないスキルだと思っていた、家事手伝いと、錬金術師。 実は、トンデモなく便利なスキルでした。  最底辺、大陸商業組合ライセンス所持者から。 一転して、大陸有数の有名人に。 これは、不幸な2人が出会って幸せになっていく物語。 極度の、ざまぁ展開はありません。

亡国の黒騎士と呼ばれた男の旅路は闇の女王と共に

宗岡 シキ
ファンタジー
「イグレッドはあなた以上に満たしてくれます」 半年前に聖女として軍に連れて行かれた婚約者セリアを追いかけて、帝都までやって来た主人公のエルト。 だがそこで目の当たりにのは、剣聖と呼ばれる男と聖女の婚約記念パレードだった。 妨害して問い詰めるエルトだったが、セリアからは冷淡な言葉を投げかけられ、挙句に剣聖やその仲間から酷い仕打ちを受けて強制追放されてしまう。 失意のまま彷徨うエルトは偶然にも洞窟から不思議な空間へと迷い込み、自らを「闇の国の女王 スクレナ」と名乗る女性と出会った。 最強の力を誇る女王とその傍らに仕える「黒騎士」として契約したエルトは、この理不尽な世界を覆す為に、かつて人々に世界の厄災と呼ばれた軍勢の復活を画策する。 これはやがてくる世界の動乱の中心となる二人の旅路を描く物語である。

箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄生物の飼育員ってマジっすか!?~

白那 又太
ファンタジー
とあるアパートの一室に住む安楽 喜一郎は仕事に忙殺されるあまり、癒しを求めてペットを購入した。ところがそのペットの様子がどうもおかしい。 日々成長していくペットに少し違和感を感じながらも(比較的)平和な毎日を過ごしていた喜一郎。 ところがある日その平和は地獄からの使者、魔王デボラ様によって粉々に打ち砕かれるのであった。 目指すは地獄の楽園ってなんじゃそりゃ! 大したスキルも無い! チートも無い! あるのは理不尽と不条理だけ! 箱庭から始まる俺の地獄(ヘル)どうぞお楽しみください。 【本作は小説家になろう様、カクヨム様でも同時更新中です】

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

処理中です...