1ページ劇場③

ルカ(聖夜月ルカ)

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歓迎会

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「じゃあ、とりあえず、山本さんから意気込みみたいなものをいただきましょうか。」

 「えっ!?は、はい。」



 今日は、生まれて初めてのお仕事だった。
それだけでもものすごく緊張したのに、帰りに突然、私の歓迎会を開くって言われて…
断ることも出来ずに、連れて来られたのは会社から程近い所にあるレストラン。
こじんまりしたそのお店は、今夜は貸し切りになっていた。



 「あ、あの…新米ではありますが、皆様の足を引っ張らないように頑張りますので、ど、どうぞよろしくお願いします。」

ありきたりな挨拶をどうにか話し終えると、似つかわしくない程の盛大な拍手をもらって、とても恥ずかしかった。



 「山本さんは、お酒は飲めるの?」

 「え?実は、あまり強くはないです。
 普段は全く飲まないもので…」

 「後藤さん、無理やり飲ませたらパワハラですからね!」

 「はいはい、わかりました。
マスター!彼女になにか食事に合うソフトドリンクを頼む。」

 「はーい、今すぐ!」



 厨房から出て来た男性が、飲み物を持って来てくれた。



 「お待たせしました。」

 「ありがとうございます。」

 話し方も仕草も、優しそうな男性だった。



 「ここの料理、安くてうまいんだよ。
さ、山本さんも食べて、食べて!」

 「はい。」

 私は、目の前にあったコロッケをお皿に取った。
クリーミーなカニクリームコロッケだ。



 (おいしい…!)



 私は元々お料理もあまりできなくて、手の混んだ物は全く作れない。
 普通のコロッケでさえ、お店で買って来る程だから、こんなの作れるはずもない。
さすがにお店の味だ。



 (……茉奈にも食べさせてあげたいな。)



 他のどの料理もとても美味しかった。
 中でもポテトサラダは絶品だった。



 良く見れば、内装もセンスが良い。
 派手過ぎず、地味過ぎず…なんていうのか、居心地が良くて落ち着く。
 食器も、一見普通に見えて、よく見ると凝ったものを使ってある。
 私は、食器や小物にはけっこう関心があるのだけれど、どれも本当に素敵なものばかりで、わくわくしてしまった。



 (きっと、マスターのセンスが良いのね。)



 食事は本当に美味しかった。
 突然だったし、初めてってこともあり、最初は気が重かった歓迎会だったけど、会社の人達ともいろんな話も出来て打ち解けられたし、来て良かったと思えた。



 (明日からはもっと頑張るぞ!)

お店からの帰り道、私はそんな意欲を感じた。

 
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