1ページ劇場③

ルカ(聖夜月ルカ)

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毒の酒

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(本当に私って馬鹿……)



 自分の愚かさに、吐き気がする。
いや…吐き気は無理して飲んでる白酒のせいかもしれない。



 「今日は、楽しいひな祭り…」



 小さな声で歌ってみる。
ちっとも、楽しくなんかない。
 雛人形なんてあるはずもなく…
ペットボトルに桃の花を挿し、スーパーで安物のちらし寿司とひなあられを買って来て、それらをつまみながら、白酒を流し込む。



 妊娠がわかったのは、つい先週のことだった。
 自分でも、もしかしたら…という予感はあった。
でも、認めたくなかった。
 今までだって大丈夫だったし、注意もしてたもの…



だから、病院に行くのも遅くなってしまった。
 妊娠検査薬で陽性と出て…そこで観念して、病院を訪ねた。



 「おめでとうございます。」

 医師はにこやかな顔でそう言った。



 何がおめでたいの?
 彼は家庭のある身…
彼が私に本気じゃないことがわからない年じゃない。
 妊娠のことを告げたら、彼がどう言うかも予想はついている。



そんな言葉を聞くのは辛い。
 彼のことを嫌いになりたくない。
 彼に嫌われたくもない。
だから、彼には何も言わずに始末しようと思った。



 先日、たまたまテレビで見た、白酒の伝説…
その昔、大蛇の子を身ごもった女がいた。
 女は、なんとかその子をおろそうと考えたが、どうにも出来なかった。
 女は知恵のある僧に救いを求めた。
 僧は、白く濁った酒を女に授けた。
その酒を飲むと、大蛇の子は流れた…
それ以来、厄払いのために白酒が飲まれるようになったとのことだった。



だから、私は白酒を飲む…



これは、私の賭けでもあった。
もし、それでも子が流れなければ…



私は、彼の前から姿を消し、この子を産もうと思っている。
たとえ、大蛇の子であったとしても、私の子に違いはない。
 私ももういい年だ。
 子を授かる機会も、今後あるかどうかわからないのだ。



 (馬鹿な母でごめんね…)



 大きな涙がぽつりとこぼれた。
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