212 / 401
短冊に願いを
1
しおりを挟む
「まゆまゆ、起きて!
ねぇ、まゆまゆったら。」
誰かが私の安眠を妨害する。
「う~ん、うっさい。
なんなのよ。」
「僕だよ。プリンシアーナの王子、ア、ル、ベ、ル、ト。」
「アルベルト~?」
眠い目をこすり、目の前にいる男性を見てみたら、それはまさしくアルベルト!
私の大好きなアニメ『マイスィートプリンス』の主人公、アルベルトに違いない!
「ど、ど、どうしてアルベルトが!?
アルベルトは二次元のキャラなのに。」
「よく見てごらんよ。今は君だって二次元の住人さ。」
「えっ!」
あたりを見渡せば、確かにここは私の部屋だけど、それは確かに二次元で…
「な、な、なんでこんなことが?」
「君は、笹に願いのカードを吊るしたよね?
『アルベルトと夢のような時間を過ごしたい』って。
大人になっても、子供みたいな純粋な願いをかけてくれて嬉しかったよ。
今日はそのお礼だよ。
なんたって今日は、魔法の王国プリンシアーナの100年祭だからね。」
「えーっ!」
軽くディスられてるような気もするけど、そんなことは気にしない、気にしない。
信じられないけど、アルベルトの魔法で私はダサい部屋着からドレス姿に一瞬で変身し、空飛ぶ馬車に乗って、空の彼方のプリンシアーナを目指した。
「わぁ!アニメとおんなじだぁ!」
プリンシアーナのお城に入ると、そこでは舞踏会が開かれていた。
着飾ったみんなが私を歓迎してくれた。
「まゆまゆ、踊ろう!」
「わ、私、ダンスなんて…」
「大丈夫!ここは二次元なんだから。」
本当だった。
ダンスなんて踊ったことも無い私が、かろやかに踊ってる。
(二次元ってすごいね!)
ワインを飲んでご馳走を食べて、そして、私の隣にはいつもアルベルトがいる。
アルベルトを狙ってる王女リリアナはすごく不満そう。
ふふん、いい気味!
だけど、楽しい時間は過ぎるのが早いもの。
「あ、まゆまゆ、もうじき夜が明ける。宴はおしまいだ。」
「いやよ!私、このまま二次元のキャラになる!」
「残念だけど、それは出来ない。
まゆまゆ、今夜は来てくれてどうもありがとう!
みんな、まゆまゆに祝福を!」
アルベルトがそう言うと、香りの良い花が私の元に降り注ぐ。
「やだ~!帰りたくない!」
そう絶叫したのを最後に私の意識は途絶えた。
***
「なんだ、夢か…だよね。
あんなことが実際に起きるわけないよね。
でも、楽しい夢だったな。
……ん?」
良い香りに気づきふと見ると、私のベッドのまわりには花がたくさん落ちていた。
ねぇ、まゆまゆったら。」
誰かが私の安眠を妨害する。
「う~ん、うっさい。
なんなのよ。」
「僕だよ。プリンシアーナの王子、ア、ル、ベ、ル、ト。」
「アルベルト~?」
眠い目をこすり、目の前にいる男性を見てみたら、それはまさしくアルベルト!
私の大好きなアニメ『マイスィートプリンス』の主人公、アルベルトに違いない!
「ど、ど、どうしてアルベルトが!?
アルベルトは二次元のキャラなのに。」
「よく見てごらんよ。今は君だって二次元の住人さ。」
「えっ!」
あたりを見渡せば、確かにここは私の部屋だけど、それは確かに二次元で…
「な、な、なんでこんなことが?」
「君は、笹に願いのカードを吊るしたよね?
『アルベルトと夢のような時間を過ごしたい』って。
大人になっても、子供みたいな純粋な願いをかけてくれて嬉しかったよ。
今日はそのお礼だよ。
なんたって今日は、魔法の王国プリンシアーナの100年祭だからね。」
「えーっ!」
軽くディスられてるような気もするけど、そんなことは気にしない、気にしない。
信じられないけど、アルベルトの魔法で私はダサい部屋着からドレス姿に一瞬で変身し、空飛ぶ馬車に乗って、空の彼方のプリンシアーナを目指した。
「わぁ!アニメとおんなじだぁ!」
プリンシアーナのお城に入ると、そこでは舞踏会が開かれていた。
着飾ったみんなが私を歓迎してくれた。
「まゆまゆ、踊ろう!」
「わ、私、ダンスなんて…」
「大丈夫!ここは二次元なんだから。」
本当だった。
ダンスなんて踊ったことも無い私が、かろやかに踊ってる。
(二次元ってすごいね!)
ワインを飲んでご馳走を食べて、そして、私の隣にはいつもアルベルトがいる。
アルベルトを狙ってる王女リリアナはすごく不満そう。
ふふん、いい気味!
だけど、楽しい時間は過ぎるのが早いもの。
「あ、まゆまゆ、もうじき夜が明ける。宴はおしまいだ。」
「いやよ!私、このまま二次元のキャラになる!」
「残念だけど、それは出来ない。
まゆまゆ、今夜は来てくれてどうもありがとう!
みんな、まゆまゆに祝福を!」
アルベルトがそう言うと、香りの良い花が私の元に降り注ぐ。
「やだ~!帰りたくない!」
そう絶叫したのを最後に私の意識は途絶えた。
***
「なんだ、夢か…だよね。
あんなことが実際に起きるわけないよね。
でも、楽しい夢だったな。
……ん?」
良い香りに気づきふと見ると、私のベッドのまわりには花がたくさん落ちていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
料理がしたいので、騎士団の任命を受けます!
ハルノ
ファンタジー
過労死した主人公が、異世界に飛ばされてしまいました
。ここは天国か、地獄か。メイド長・ジェミニが丁寧にもてなしてくれたけれども、どうも味覚に違いがあるようです。異世界に飛ばされたとわかり、屋敷の主、領主の元でこの世界のマナーを学びます。
令嬢はお菓子作りを趣味とすると知り、キッチンを借りた女性。元々好きだった料理のスキルを活用して、ジェミニも領主も、料理のおいしさに目覚めました。
そのスキルを生かしたいと、いろいろなことがあってから騎士団の料理係に就職。
ひとり暮らしではなかなか作ることのなかった料理も、大人数の料理を作ることと、満足そうに食べる青年たちの姿に生きがいを感じる日々を送る話。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」を使用しています。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
追放されたテイマー半年後に従魔が最強になったのでまた冒険する
Miiya
ファンタジー
「テイマーって面白そうだったから入れてたけど使えんから出ていって。」と言われ1ヶ月間いたパーティーを追放されてしまったトーマ=タグス。仕方なく田舎にある実家に戻りそこで農作業と副業をしてなんとか稼いでいた。そんな暮らしも半年が経った後、たまたま飼っていたスライムと小鳥が最強になりもう一度冒険をすることにした。そしてテイマーとして覚醒した彼と追放したパーティーが出会い彼の本当の実力を知ることになる。
転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~
ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉
攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。
私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。
美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~!
【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避
【2章】王国発展・vs.ヒロイン
【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。
※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。
※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差)
イラストブログ https://tenseioujo.blogspot.com/
Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/
※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。
空間魔法って実は凄いんです
真理亜
ファンタジー
伯爵令嬢のカリナは10歳の誕生日に実の父親から勘当される。後継者には浮気相手の継母の娘ダリヤが指名された。そして家に置いて欲しければ使用人として働けと言われ、屋根裏部屋に押し込まれた。普通のご令嬢ならここで絶望に打ちひしがれるところだが、カリナは違った。「その言葉を待ってました!」実の母マリナから託された伯爵家の財産。その金庫の鍵はカリナの身に不幸が訪れた時。まさに今がその瞬間。虐待される前にスタコラサッサと逃げ出します。あとは野となれ山となれ。空間魔法を駆使して冒険者として生きていくので何も問題ありません。婚約者のイアンのことだけが気掛かりだけど、私の事は死んだ者と思って忘れて下さい。しばらくは恋愛してる暇なんかないと思ってたら、成り行きで隣国の王子様を助けちゃったら、なぜか懐かれました。しかも元婚約者のイアンがまだ私の事を探してるって? いやこれどーなっちゃうの!?
なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」
ある日、近所の少年と異世界に飛ばされて保護者になりました。
トロ猫
ファンタジー
仕事をやめ、なんとなく稼ぎながら暮らしていた白川エマ(39)は、買い物帰りに偶然道端で出会った虐待された少年と共に異世界に飛ばされてしまう。
謎の光に囲まれ、目を開けたら周りは銀世界。
「え?ここどこ?」
コスプレ外国人に急に向けられた剣に戸惑うも一緒に飛ばされた少年を守ろうと走り出すと、ズボンが踝まで落ちてしまう。
――え? どうして
カクヨムにて先行しております。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる