1ページ劇場③

ルカ(聖夜月ルカ)

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夢を追いかけて

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(卒業おめでとう!私…)



 荷物に囲まれた部屋の中で、私は小さなケーキを頬張った。



 今日、私は大学を卒業した。
 入試に失敗して浪人し、二度ほど留年して六年かかっての卒業だった。
だからこそ、卒業の感動も一入だ。



 考えてみれば、この数年は本当にいろいろなことがあった。



 高校卒業が近付いていた時、私は情熱的な恋をした。
それは、お互い、とても高い熱を持った恋愛で、高校を卒業した年に私達は結婚した。
でも、一年もしないうちにその熱は嘘みたいに冷めてしまった。
 私も彼もまだ子供だったんだ。
 結婚がどんなものかということもわかってなかったんだと思う。
 結婚しても大学に行くことだけは親と約束していたから、どうにか入学はしたものの…勉学と家事の両立は私には難しいものだった。
 夫は、ろくに働きもせず、毎日、遅くまで友人と遊び歩き…
数年経つと、私達は顔を合わせれば喧嘩ばかりするようになっていた。
なぜ、あんな人と結婚したのかもわからなくなった。



すったもんだの挙句、ようやく昨年離婚が成立した。
 私はまた元の苗字に戻った。



これを機に私は実家を出て、ひとりで新たな生活を始める。
 面白いことに、これは私にとって初めての一人暮らしだ。
 実家へは徒歩15分。
 情けないことだけど、自立するにはまだいろいろと不安があったから、そんなすぐ傍に決めてしまった。



バイトをしながら法科大学院に通い、弁護士を目指す。
 弁護士は私の子供の頃からの夢だった。
 一時的な情熱のせいで、少し回り道はしてしまったけど、今からでもまだ十分追いつける。



 (頑張るぞ~!)



 私の胸は希望と期待で膨らんでいた。
 今日が、私の夢への第一歩だ!

 
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