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ナマケモノ
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『あけおめ、ことよろ。
俺は、予定通り、寝正月を満喫中~』
年賀状代わりの年賀メールが届いた。
それは、彼氏のトシからのもの。
まぁ、こんなものでも送ってくれるだけでも、今年はまだマシだ。
仕事には精力的に力を注いでるトシは、休みともなると途端に別人格になる。
本人は、バリバリ働いてる反動って言ってるけど、休みに家にいると、本当に何もしたくなくなるらしい。
昨年は年賀メールどころか、こっちがメールを送ろうが電話をかけようが全く無視で、そのことで私がもう別れるとぶち切れ、修羅場になった。
だからこそ、今年は年賀メールを送ってよこしたんだろう。
こんな彼氏だから、ロマンチックなデートなんてなかなか出来ない。
平日の夜に会う時はまだマシだけど、休みともなるとまず家から連れ出すことからして大変だから。
年末の休みだって、私が彼の家に行って一緒にテレビを見て喋ってただけ。
お正月も、寝正月する!外出はしない!と断言された。
「トシ~、来たよ~」
だから、私はまたトシの家に向かった。
本当なら一緒に初詣に行きたいところだけど、そんなの誘ったっていやだって言うに決まってる。
「あ~…美沙…やっぱり来たんだ。」
トシは宣言通り、パジャマを着てベッドにいた。
「とりあえず、あけおめ。
ねぇ、何か食べたの?」
「う…ん、まだ。」
「お腹減ってないの?」
「減ってるけど、作るの面倒だから…」
「……そうだと思った。」
そんなこと、本当は聞かなくてもわかってた。
いつだってそうなんだから。
私は、キッチンに向かい、持って来た肉まんを温めた。
温まった肉まんは、とても良いにおいだ。
「…え?正月なのに、なんで肉まん?」
「お母さんに作り方、教わったんだ。
お母さん直伝の味だから食べてみて。」
トシはふーふーと息を吹きかけ、あつあつの肉まんを頬張った。
「マジ?これ、マジで美沙が作ったのか?」
「そうだよ。生地もちゃんと作ったんだから…
どう?美味しい?」
「めっちゃうまいんですけど!
コンビニのよりうまいよ!」
その言葉に、私は満足する。
今日はまたきっと、二人でテレビを見て他愛ない会話をするだけだろうけど…
初詣に行けなくても、つまらないお家デートでも、やっぱり私はトシのことが好きだから…
俺は、予定通り、寝正月を満喫中~』
年賀状代わりの年賀メールが届いた。
それは、彼氏のトシからのもの。
まぁ、こんなものでも送ってくれるだけでも、今年はまだマシだ。
仕事には精力的に力を注いでるトシは、休みともなると途端に別人格になる。
本人は、バリバリ働いてる反動って言ってるけど、休みに家にいると、本当に何もしたくなくなるらしい。
昨年は年賀メールどころか、こっちがメールを送ろうが電話をかけようが全く無視で、そのことで私がもう別れるとぶち切れ、修羅場になった。
だからこそ、今年は年賀メールを送ってよこしたんだろう。
こんな彼氏だから、ロマンチックなデートなんてなかなか出来ない。
平日の夜に会う時はまだマシだけど、休みともなるとまず家から連れ出すことからして大変だから。
年末の休みだって、私が彼の家に行って一緒にテレビを見て喋ってただけ。
お正月も、寝正月する!外出はしない!と断言された。
「トシ~、来たよ~」
だから、私はまたトシの家に向かった。
本当なら一緒に初詣に行きたいところだけど、そんなの誘ったっていやだって言うに決まってる。
「あ~…美沙…やっぱり来たんだ。」
トシは宣言通り、パジャマを着てベッドにいた。
「とりあえず、あけおめ。
ねぇ、何か食べたの?」
「う…ん、まだ。」
「お腹減ってないの?」
「減ってるけど、作るの面倒だから…」
「……そうだと思った。」
そんなこと、本当は聞かなくてもわかってた。
いつだってそうなんだから。
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