1ページ劇場③

ルカ(聖夜月ルカ)

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どっちもどっち

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(う~ん……)



 「三浦って、本当に人が良いんだよなぁ…
でも、そのせいで損ばっかりしてるよな。
……愛理、聞いてる?」

 「え!?」

 「なんだよ、ぼーっとして…」

 「あ、ごめん、ごめん!」



 私がぼんやりしていたのは、彼の服装を見てたから。
もう11月…しかも、今日は立冬だってニュースで言ってた。
つまり、暦の上では今日から冬だってことだ。
なのに、まだ彼は半袖を着ている。
ジャンプしてるイルカと、輝く太陽の描かれたTシャツを。



 確かにまだそんなに寒くない。
 冬って感じは全然しないけど、でも、さすがに半袖の季節じゃないでしょう。
しかも、その柄。
 少しは、季節感を考えようよ。



 「……愛理、どうかした?」

 「え?う、ううん。何も…」



 思っていても言えないのが、私の悪い所だな。
わかってはいるんだけど、言えないんだから仕方がない。



 「それで、三浦なんだけどさ…」

 「うん、どうしたの?」



 (あ!)



 「亮君!アイス食べようよ!」

 私は発見したアイス屋さんを指さした。



 「え?またぁ…?」



 亮君はあまり乗り気じゃないみたいだけど、アイスは私の大好物!
とてもじゃないけど、見過ごすわけにはいかない。
 私は、亮君を半ば無視して、アイス屋さんに直行した。



 「わぁ…!すっごい!」

まるでお花畑みたいに並ぶ色とりどりのアイスに、私は思わず声を上げた。
これ程種類がたくさんあるお店は滅多にない。
こんなお店に出会えるなんて、今日は良い日だ!



 「えーっと、これとあれと…あ、これも食べたいな。」

 目を輝かせる私に、亮君が呟く。



 「愛理、知ってる?
 今日は立冬なんだよ。
 暦の上では今日から冬なんだよ。」



 季節感なんて知ったこっちゃない!
 冬でもなんでも私はアイスが大好きなんだから!



 (季節感ないのは、お互い様だね…)



 私は小さく肩をすくめ、大好きなアイスを注文した。
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