1ページ劇場③

ルカ(聖夜月ルカ)

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神様のお仕事

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「ふふふ……」

 水鏡に映し出される光景に、わしは思わず笑ってしまった。



 前世でも変わり者だったけれど、現世もまた相当に変わり者のようだ。
きっとまたあいつは苦労するだろう…
それでも、彼らは幸せなのだ。



わしは縁結びを司る神だ。
 膨大な資料を元に、縁の深い二人を結び付けるのだ。



 今、水鏡に映る二人は、かの昔、お互いに惹かれ合いながらもとうとう最後まで想いを遂げられなかった二人だ。
 男は学者。
たいそう真面目な男で、研究一辺倒だった。
 女は、男が住む家の近くの貧しき花売り娘。
 年齢も親子ほど離れていた。
 男は、不器用で、しかも、年のことを気にして、女性に愛を告げることが出来なかった。
 毎日、研究に打ち込む自分と結婚しても、彼女を幸せには出来ないとも考えていた。
 女は、そんなことは少しも気にしていなかった。
ただ、彼の傍にいられればそれで幸せ…本心ではそう考えていたが、学者である男が、自分のような教養のない女を相手にしてくれないだろうと考えていた。
 結局、二人は結ばれなかった。
わしはもちろん二人を結び付けてやろうと思っていたが、彼らの前世の因縁で、それを邪魔する力が大き過ぎたのだ。
 何度も繋いだ赤い糸は、ことごとく切られてしまった。



 今度生まれて来る時こそは、絶対にあの人と一緒になりたい。
 二人はそんな強い想いを胸に抱いて逝った。



だから、今回は、年も近く、職業的にも問題がないように二人の生まれて来る時を設定して申告し、それが認められ…そして、今日、二人はようやく出会えたのだ。



 「落ち葉って、着てみたらどんな感じなのかなって。
ん~…なんていうか、さつまいもの気分?」

「は?」

「思ったより、良いもんじゃなかったな。
かさかさだし。
温かくもなんともないし。」

「そ、そうなんだ…」



 現世では、二人は日本人だ。
そして、学者は女性に、花売り娘は男性に生まれ変わった。
これからもまだいろいろとわしが力を貸さねばならぬことがある。
だが、今回は邪魔する力はそう強くないから、きっと大丈夫だ。



 「あぁ、お腹すいた。」

 「えっ!?」

 「あんた、目玉焼き作れる?」

 「え?ま、まぁ…作れるけど…」

 「やったー!じゃ、作ってよ!
うち、すぐ傍だから。」

 「えっ!?」

 男性は、歩き出した女性の後を慌てて着いて行く。



 「そうそう、それで良いんじゃ…」

ふたりの赤い糸は今、しっかりと結び付けられている。
 今後もそれがほどけぬように、切られぬように、しっかりと見守り、力を注いでいこう…

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