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「うわぁ、こんなに濡れちゃった。」
「でも、良かったよね。
このお店があって…」
「そうだね。」
私達はハンカチで濡れた衣服を拭い、席に着いた。
友達の麻衣子とやって来た一泊旅行。
観光の途中で突然の雨に遭い、私達は目に付いたこの甘味処に駆け込んだ。
「ねぇ…何にする?」
「う~ん…と。」
お品書きを見ていると、あるものが目に留まった。
「見て!わらび餅が2000円なんだって!
もしかして、ここってぼったくりの店なのかな?」
「やぁね…美紀、知らないの?
本物のわらび粉って高いらしいよ。
ほら、ここに書いてあるじゃない。
『本わらび粉使用』って。」
「そうなの?」
わらび餅なんて、安いだけのお菓子だと思い込んでた私は、妙に気を惹かれてしまった。
「よし!私、わらび餅にする!」
普段はどちらかというと節約家の私だけど、旅先では不思議と気持ちが大きくなるものだ。
「え~…じゃあ、私も!」
結局、私達は二人共わらび餅を注文した。
*
「お待たせしました。」
出て来るまでに意外と時間がかかった。
その間にも2000円のわらび餅への期待は上がる。
「わぁ…なんかこのわらび餅黒いね!」
「本当だね、わらび餅って普通は透明だよね?」
目の前に置かれた黒っぽいわらび餅を私達はスマホで撮影する。
「あ、このきな粉、なんかにおいが違う!」
「うんうん、なんか違うよね!豆っぽい?」
黒いわらび餅にきな粉をかけ、さらに黒蜜をかけて、また撮影。
見た目は地味だけど、時にはこういう和風なものも珍しくて良い感じだ。
「あ……すっごくもちもちしてる!」
「どれどれ…あ、本当!」
わらび餅もきな粉も黒蜜も、すべてが普段のわらび餅とはかなり違う感じだ。
なんというか、どれもこれもが上品で上等に思える。
これはさすがに高いだけの値打ちがある!と思えた。
「おいしかったね~!」
「うん、最高!さすがに本物は違うよね!」
「あ…雨あがってるみたい。」
「良かった~!」
窓の外がいつの間にか明るくなっていた。
「あ!見て!あれ!」
外に出て、麻衣子が空を指さした。
空には大きな七色のアーチが掛かっていた。
「わぁ、虹なんて何年ぶりかな。」
「あ!早く撮らなきゃ!」
「あ、麻衣子!
虹をバックに撮ってよ!」
「あ、私も、私も!」
虹を見て、私達のテンションはさらにあがった。
「でも、良かったよね。
このお店があって…」
「そうだね。」
私達はハンカチで濡れた衣服を拭い、席に着いた。
友達の麻衣子とやって来た一泊旅行。
観光の途中で突然の雨に遭い、私達は目に付いたこの甘味処に駆け込んだ。
「ねぇ…何にする?」
「う~ん…と。」
お品書きを見ていると、あるものが目に留まった。
「見て!わらび餅が2000円なんだって!
もしかして、ここってぼったくりの店なのかな?」
「やぁね…美紀、知らないの?
本物のわらび粉って高いらしいよ。
ほら、ここに書いてあるじゃない。
『本わらび粉使用』って。」
「そうなの?」
わらび餅なんて、安いだけのお菓子だと思い込んでた私は、妙に気を惹かれてしまった。
「よし!私、わらび餅にする!」
普段はどちらかというと節約家の私だけど、旅先では不思議と気持ちが大きくなるものだ。
「え~…じゃあ、私も!」
結局、私達は二人共わらび餅を注文した。
*
「お待たせしました。」
出て来るまでに意外と時間がかかった。
その間にも2000円のわらび餅への期待は上がる。
「わぁ…なんかこのわらび餅黒いね!」
「本当だね、わらび餅って普通は透明だよね?」
目の前に置かれた黒っぽいわらび餅を私達はスマホで撮影する。
「あ、このきな粉、なんかにおいが違う!」
「うんうん、なんか違うよね!豆っぽい?」
黒いわらび餅にきな粉をかけ、さらに黒蜜をかけて、また撮影。
見た目は地味だけど、時にはこういう和風なものも珍しくて良い感じだ。
「あ……すっごくもちもちしてる!」
「どれどれ…あ、本当!」
わらび餅もきな粉も黒蜜も、すべてが普段のわらび餅とはかなり違う感じだ。
なんというか、どれもこれもが上品で上等に思える。
これはさすがに高いだけの値打ちがある!と思えた。
「おいしかったね~!」
「うん、最高!さすがに本物は違うよね!」
「あ…雨あがってるみたい。」
「良かった~!」
窓の外がいつの間にか明るくなっていた。
「あ!見て!あれ!」
外に出て、麻衣子が空を指さした。
空には大きな七色のアーチが掛かっていた。
「わぁ、虹なんて何年ぶりかな。」
「あ!早く撮らなきゃ!」
「あ、麻衣子!
虹をバックに撮ってよ!」
「あ、私も、私も!」
虹を見て、私達のテンションはさらにあがった。
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