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家庭菜園
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「ねぇ…なんで今日じゃなきゃ駄目なんだい?」
僕は土を掘りながら、隣の静香に質問した。
「だって、今日が種蒔きには一番良い日なんだもん!」
「なんで?」
「大ちゃん…知らないの?今日は穀雨なの、こ・く・う!」
「穀雨…?何?それ。」
「あのね、穀雨っていうのは、種蒔きに一番良い日なの!」
なんだかよくわからない説明だけど…きっとまたいつものやつだ。
静香は、迷信深いっていうのか…ゲン担ぎをするタイプなんだ。
最近、急に家庭菜園にハマった静香は、なぜだか今日植えると決めていて、僕は、今日、有給休暇を取らされた。
何がなんでも今日でなきゃいけない理由…それが、『穀雨』らしい。
「静香…でも、これって種じゃなくて苗だけど…」
「細かいことは気にしなくて良いの!」
つまらないことを言って、彼女を怒らせるのは良くないことだ。
僕は彼女の言う通りに、黙って苗を植えた。
それらに水をまいて、今日の作業は完了した。
「お疲れ様。すぐにごはんにするからね。」
僕がしっかり作業をしたせいか、静香の機嫌は良い。
しばらくすると、良いにおいが漂ってきて…
「お待ち遠様!」
「わぁ、タケノコご飯じゃない!」
タケノコは僕の大好物だ。
うん、うまい!
しゃきしゃきの歯ごたえがたまらない。
「そういえば、タケノコを植えたら、またタケノコが出てくるのかな?」
「え?タケノコじゃなくて竹なんじゃない…?」
「あ、そうか。じゃあ、竹植えようか?
そしたら、タケノコ食べ放題だよ。
2~3本くらいなら植える場所あるし。」
「そうだね、それ…良いかも。」
竹は、我が家の狭い庭で育てられるようなものではないということをその時の僕達はまったく知らなかった…
僕は土を掘りながら、隣の静香に質問した。
「だって、今日が種蒔きには一番良い日なんだもん!」
「なんで?」
「大ちゃん…知らないの?今日は穀雨なの、こ・く・う!」
「穀雨…?何?それ。」
「あのね、穀雨っていうのは、種蒔きに一番良い日なの!」
なんだかよくわからない説明だけど…きっとまたいつものやつだ。
静香は、迷信深いっていうのか…ゲン担ぎをするタイプなんだ。
最近、急に家庭菜園にハマった静香は、なぜだか今日植えると決めていて、僕は、今日、有給休暇を取らされた。
何がなんでも今日でなきゃいけない理由…それが、『穀雨』らしい。
「静香…でも、これって種じゃなくて苗だけど…」
「細かいことは気にしなくて良いの!」
つまらないことを言って、彼女を怒らせるのは良くないことだ。
僕は彼女の言う通りに、黙って苗を植えた。
それらに水をまいて、今日の作業は完了した。
「お疲れ様。すぐにごはんにするからね。」
僕がしっかり作業をしたせいか、静香の機嫌は良い。
しばらくすると、良いにおいが漂ってきて…
「お待ち遠様!」
「わぁ、タケノコご飯じゃない!」
タケノコは僕の大好物だ。
うん、うまい!
しゃきしゃきの歯ごたえがたまらない。
「そういえば、タケノコを植えたら、またタケノコが出てくるのかな?」
「え?タケノコじゃなくて竹なんじゃない…?」
「あ、そうか。じゃあ、竹植えようか?
そしたら、タケノコ食べ放題だよ。
2~3本くらいなら植える場所あるし。」
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