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side 翔子

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潤が昔のことを思い出してくれた。
そのことが、とても嬉しかった。



私の誕生日が夏だったってことも、クリームソーダのことも、潤は思い出してくれた。



クリームソーダは、私がお母さんにねだって作ってもらった。
潤が、クリームソーダを大好きだって知っていたから。



子供の頃、潤がくれたプレゼントをまだ持ってるなんて言ったら、引かれてしまうだろうか?



可愛いアニメキャラの小銭入れ、キラキラした鉛筆といちごのにおいの消しゴム、そして、ブルーのくまのマスコット…
それらは宝物として、机の引き出しに眠ってる。



お母さんがパートを始めて、誕生日会を家でやらなくなってから、プレゼントはもらえなくなった。
私の誕生日は夏休み中だから、特に忘れやすかったのかもしれない。



でも、気にはしてくれてたのはわかってる。
私が潤の誕生日にプレゼントを渡したら、決まって潤は私の誕生日を訊いたもの。
今年は覚えててくれるんじゃないかって、毎年期待をしては裏切られた。



潤に悪気がないこともわかってる。
口先だけで言ってたわけじゃなくて、潤は本当にその時は私にプレゼントをしようと思ってくれたんだと思う。
ただ、すぐに忘れちゃうだけなんだよね。
潤は昔から忘れっぽい性格だったもの。
仕方ないよね。

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