266 / 365
『瓢箪から駒』ってやつでしょうか?
31
しおりを挟む
お手洗いに行くと、さゆみは洗面台の前で涙を拭ってた。
「さゆみ…大丈夫?
一体、どうしたの?」
「どうって…あんたも聞いたでしょ?
私達、リクに『友達』って言ってもらえたんだよ!?」
正確には「友達みたいなもの」だったけど…
そっか…さゆみはそのことが嬉しかったんだね…
「あんたは嬉しくないの?」
「え?、そ、そりゃあ嬉しいよ。」
あんな風に言われて、喜ばない子なんて、きっといない。
でも……さゆみはそれで良いのかな?
さゆみはリクさんのこと、本気で好きだって言ってた。
それは、当然『恋愛感情』ってことだよね?
それなのに、『友達』でも良いのかな?
『友達』って思われたら、彼女さんにはなりにくいんじゃないのかな?
それとも逆?彼女さんに近付くのかな?
まぁ、確かにただのファンから友達になれたのは、良いことだとは思うけど…なんだか、複雑でもあるよ。
「諦めなけりゃ夢は叶うって言うけど…本当だね。
諦めないだけじゃだめだと思うけど、その時にやれることを思いっきり頑張ったら、それは必ず夢に近付くんだね。
私……いま、そのことを実感してるよ。」
そうかもしれない。
そうだよね…先のことをあれこれ考えるより、きっと、今の幸せをストレートに喜ぶべきなんだね。
良いこと言ってるけど、さゆみ…
お化粧がほとんど取れてるよ。
鼻も真っ赤でかなり酷い状態だよ。
「さゆみ…とりあえず顔洗っちゃえば?」
「え?」
顔を上げて、鏡を見たさゆみは、大きく目を見開いた。
「なに、これ?ど、どうしよう?」
「お化粧道具は持って来てないよね?」
さゆみが頷く。
「でも、ファンデーションはあるから、それだけでも塗り直せば大丈夫だよ。」
私はコンパクトを手渡した。
「ありがとう。じゃあ、これ借りるね。
あ、あんたは先に戻ってて。」
「え?でも…」
「二人のこと、ほったらかしにするの申し訳ないし、心配かけたくないから。」
「そ、そう?わかったよ。」
さゆみがいないのはなんとなく心細いけど…さゆみの言うことももっともだ。
仕方なく私は部屋に戻った。
「さゆみ…大丈夫?
一体、どうしたの?」
「どうって…あんたも聞いたでしょ?
私達、リクに『友達』って言ってもらえたんだよ!?」
正確には「友達みたいなもの」だったけど…
そっか…さゆみはそのことが嬉しかったんだね…
「あんたは嬉しくないの?」
「え?、そ、そりゃあ嬉しいよ。」
あんな風に言われて、喜ばない子なんて、きっといない。
でも……さゆみはそれで良いのかな?
さゆみはリクさんのこと、本気で好きだって言ってた。
それは、当然『恋愛感情』ってことだよね?
それなのに、『友達』でも良いのかな?
『友達』って思われたら、彼女さんにはなりにくいんじゃないのかな?
それとも逆?彼女さんに近付くのかな?
まぁ、確かにただのファンから友達になれたのは、良いことだとは思うけど…なんだか、複雑でもあるよ。
「諦めなけりゃ夢は叶うって言うけど…本当だね。
諦めないだけじゃだめだと思うけど、その時にやれることを思いっきり頑張ったら、それは必ず夢に近付くんだね。
私……いま、そのことを実感してるよ。」
そうかもしれない。
そうだよね…先のことをあれこれ考えるより、きっと、今の幸せをストレートに喜ぶべきなんだね。
良いこと言ってるけど、さゆみ…
お化粧がほとんど取れてるよ。
鼻も真っ赤でかなり酷い状態だよ。
「さゆみ…とりあえず顔洗っちゃえば?」
「え?」
顔を上げて、鏡を見たさゆみは、大きく目を見開いた。
「なに、これ?ど、どうしよう?」
「お化粧道具は持って来てないよね?」
さゆみが頷く。
「でも、ファンデーションはあるから、それだけでも塗り直せば大丈夫だよ。」
私はコンパクトを手渡した。
「ありがとう。じゃあ、これ借りるね。
あ、あんたは先に戻ってて。」
「え?でも…」
「二人のこと、ほったらかしにするの申し訳ないし、心配かけたくないから。」
「そ、そう?わかったよ。」
さゆみがいないのはなんとなく心細いけど…さゆみの言うことももっともだ。
仕方なく私は部屋に戻った。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。



とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる