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『瓢箪から駒』ってやつでしょうか?
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しおりを挟む「さて…と。
実は、今日は僕らからささやかなプレゼントがあります。」
「えっ…?」
「ジャジャジャジャーン!」
キースさんが差し出したのは、CDだった。
「昨夜、出来たばっかりの出来立てほやほやCDやで~
熱いから気ぃ付けてや。」
「わぁ…」
私達はいただいたCDに目を落とす。
「今度はジャケットもけっこう格好ええやろ?
実はこれ、次のライブから着る衣装やねん。」
確かに素敵!
ステージの上に、楽器を持ってポーズを決めた四人が並んでるんだけど、そこに鮮やかなライトが当たって…
ちょっとしたアイドルみたい!?
以前のはバンドのロゴだけで、すっきりしてるといえばすっきりしてるけど、悪くいえば、地味っていうか、愛想のない印象だったから。
メンバーはみんな格好良いんだし、今回みたいなジャケットの方が、女の子なら嬉しいよね。
「いただいちゃって良いんですか?」
「もちろんや。でも、まだ発売前やし、ナイショにしとってな。」
「わかりました!
あの…サインしてもらえますか?」
「サインって…」
さゆみの差し出したCDの前で、リクさんが困ったような顔で頬笑む。
なんでだろ?こないだはすんなりサインしてくれたのに…
「…だめですか?」
「だめってわけじゃないけど……もう何回も一緒にハイキングも行ってるし、こうして衣装も作ってもらったし…」
リクさんは言いにくそうに俯いて呟く。
「つまり、もう友達みたいなもんやから、照れ臭い…そういうことやろ、リク?」
「……まぁな。」
その言葉を聞いた途端、さゆみが涙を流し始めた。
「さゆみ!?」
「どないしたんや、さゆみちゃん!」
「ちょっと…お手洗いに行ってきます。」
さゆみは慌ただしく部屋を出て行った。
「わ、私も…!」
さゆみを一人にしておくのが心配で、私はさゆみの後を追った。
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