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ハイキングは楽しかったのですが…

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「わぁ…すごい…!」

お弁当のふたを開けたら、キースさんの笑顔にさらに花が咲いた。



 「なんだ、キース…弁当まで作ってもらったのか。」

そう言いながら、リクさんは私の作ったお弁当をじっと見てる。



 「うん、だめもとでゆうてみたら、快く作ってもらえることになってん。」

 「……へぇ……」

なんだ、その言い方…
キースさんのは食材にもこだわったし、絶対においしいんだから!



 「ほな、いただこかな。」

キースさんは、肉と野菜のいためものに箸を伸ばした。



 「うん、うまい!
 味付けもちょうどやわ。
ヅラちゃん、ほんまにありがとう!」

 「い、いえ…そんな…」

キースさんは関西の人だから、いつもより少しだけ味付けも薄くしたんだ。
 正解だったね!



 「良かったら、これもどうぞ。」

さゆみが差し出したのはサンドイッチ。
お父さんに作ってもらったらしいけど、それは内緒。
 友達とハイキングに行くって言って出てきたそうだから、かなり大量。



 「わぁ、すごいな。
ほな、さっそくいただくわ。」

キースさんは、カツサンドに手を伸ばす。



 「あ、これもめっちゃおいしいやん!
 二人とも料理うまいんやなぁ…」

さゆみは愛想笑いを浮かべてた。
そりゃあおいしいはずだよ。
さゆみのお父さんは調理師の免許も持ってるし、特に、カツサンドは、喫茶店でも一番人気のメニューだもん。



 「リクももろてみ。」

リクさんは言われた通りに手を伸ばし、カツサンドを頬張った。



 「な、おいしいやろ?」

 「……まぁな。」

もうっ!リクさんって本当に可愛くない!
でも、さゆみは嬉しそう。
あんな言い方でも、リクさんにサンドイッチを食べてもらえたのが嬉しいんだろうな、きっと。
……健気だよね。
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