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シューラルフィール

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「兄さん、見て…
とっても、綺麗な月……
青い月なんて珍しいわね。
こんな素敵な夜に旅立てるなんて、私ってツイてるわね…」

マリアンは、空に浮かんだ青い月をみつめて呟いた。



「マリアン…そんなこと言わないでおくれよ…」

「兄さん…さっき約束したじゃない!?
さっきのでおしまい。
二人共あれだけ泣いたから、もう泣かないって…
最期の時には、お互い笑ってお別れしましょうって約束したでしょう…?」

涙声のリオをたしなめるように、マリアンは毅然とした声でそう言った。



「マリアン……おまえは、なんでそうしっかりしてるんだよ…」

リオは俯き、震える声で呟いた。



「だって……私が泣いたら、兄さんはきっともっと泣いちゃうもの。
私……兄さんは笑っててほしいの……
兄さんには……」

「……マリアン…?
どうした!?」

隣に座っていたマリアンの身体がゆっくりと、リオに肩に倒れこむ…



「マリアン……マリアン!
僕が何…?最後までちゃんと話してよ…」

リオは、身体を反転させ、マリアンの正面から両腕を掴む。
しかし、マリアンの瞳はすでに閉じられ…
どこか微笑んだような穏やかな表情をしたまま、全身の力が抜けていた。



「マ…マ、マリアンーーーーー!」









「え……失敗したのか!?」

「そんなわけないさ。
私の魔法は絶対に失敗なんて……」

振り向いたリオの顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
唇を震わせながら、リオはゆっくりと魔方陣を出て、シューラルフィールとラルフの方へ歩み寄る。



「ありがとう……シューラルフィールさん……」

そう言うなり、リオはシューラルフィールに抱きつき、子供のように声を上げて泣き出した。
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