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「わぁ!」
遼が案内してくれた場所はまさに徒歩10分くらい。
いつも通らない道だから、全然気付かなかった。
遼の実家には負けるけど、それなりの豪邸だ。
もちろん庭もある。
二世帯住宅になっていて、1階と2階に玄関があった。
お母さんの寝室には大きなベッドがあり、お母さんは、それを見て顔をほころばせていた。
「お母様、どうかお願いです。雅美さんとの結婚を許して下さい。」
「え、でも、そちら様のご両親は反対されているのでは?」
「いいえ、二人共、許してくれました。」
「だめだよ、私、手切れ金をもらってしまったし、少し遣ってしまったから。」
「それは、三年待たせたことへの慰謝料だよ。」
「でも......」
「問題はもう何も無いよ。
僕は大阪支社に配属されたし、君も働きたいならそのまま仕事を続ければ良いし、やめても構わない。」
そこまで言われたら、私にはもう何も言うことは無い。
お母さんに目を向けたら、ゆっくりと頷いた。
お母さんもきっと私と同じような気持ちなんだろう。
「私は、雅美の意志に任せます。」
「お母様、どうもありがとうございます。
雅美......」
遼が私をじっとみつめる。
私はただ黙って頷いた。
「ありがとう!雅美!」
遼は、私の体を強く抱き締めた。
遼が案内してくれた場所はまさに徒歩10分くらい。
いつも通らない道だから、全然気付かなかった。
遼の実家には負けるけど、それなりの豪邸だ。
もちろん庭もある。
二世帯住宅になっていて、1階と2階に玄関があった。
お母さんの寝室には大きなベッドがあり、お母さんは、それを見て顔をほころばせていた。
「お母様、どうかお願いです。雅美さんとの結婚を許して下さい。」
「え、でも、そちら様のご両親は反対されているのでは?」
「いいえ、二人共、許してくれました。」
「だめだよ、私、手切れ金をもらってしまったし、少し遣ってしまったから。」
「それは、三年待たせたことへの慰謝料だよ。」
「でも......」
「問題はもう何も無いよ。
僕は大阪支社に配属されたし、君も働きたいならそのまま仕事を続ければ良いし、やめても構わない。」
そこまで言われたら、私にはもう何も言うことは無い。
お母さんに目を向けたら、ゆっくりと頷いた。
お母さんもきっと私と同じような気持ちなんだろう。
「私は、雅美の意志に任せます。」
「お母様、どうもありがとうございます。
雅美......」
遼が私をじっとみつめる。
私はただ黙って頷いた。
「ありがとう!雅美!」
遼は、私の体を強く抱き締めた。
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