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「お母さん、お昼、どうしようか?」

「何でも構わないよ。あ、明太子がまだあったね。
私はあれで良いよ。」



いつもと変わらない土曜のお昼。



遼に会ってから、早くも約半年の時が流れた。
しばらくは落ち着かなかったけれど、もう大丈夫。
完全に吹っ切れた。
結局、お母さんには遼のことは話さなかった。
話さなくて良いよね。
話しても心配させるだけだもん。



「卵焼きも作ろうか?」

「そうだね...あ...」



玄関のチャイムが鳴った。
私は玄関に向かった。
新聞の集金かな?
それとも回覧板?



「は~い。あっ!」

そこには、真っ赤な薔薇の花束を抱えた遼がいた。



「り、遼!」

「今日は、結婚のご挨拶に来たよ。」

「な、何を...」

「どうかしたのかい?
あ、あなたは...!」



遼は居間に通された。
そして、お母さんに正式に私との結婚のことを話した。



「だから...言ったじゃない!無理だって!」

「無理じゃないよ。
僕は関西に住むから。」

「えっ!?」

「この近くに家を建てた。
一階でお母様に住んでもらって、上の階が僕達。
もちろん、みい子ちゃんの部屋もあるよ。」

みい子のことまで知ってるの!?



「後でご案内します。ここから10分位の所だから、問題ないよね?」

私とお母さんはびっくりして、思わず顔を見合わせた。
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