30点でも愛されてます！

２６

「ところで、今日はどこに行くの？」

「着いたよ。」

「えっ！？」

そこは駐車場だった。
遼はどんどん歩いて行き、鮮やかな青い車の前で止まった。



「大学生になったから、車に乗って良いって。
あ、運転は上手いって言われたから、心配しないで。」

「う、うん。」

遼はドアを開けてくれた。
なんだか良い香りがする。
座席はゆったりとしている。



「この車に人を乗せるの、雅美が初めてなんだよ。」

「へぇ、そうなんだ。」

嬉しかったけど、なぜだかなんともない振りをした。



「じゃあ、行くね。」

車は滑るように走り出した。
誰だかわからない洋楽の音楽が控えめに流れてた。
車は全然揺れない。
遼は、本当に運転が上手なのかも。



運転してるから迷惑かなって思って黙ってたら、遼の方から話しかけてくれた。
他愛ない話をしながら、ドライブをして…
夜景の見えるレストランで食事をした。



ドライブはとても楽しかった。
だって、ドライブなんて初めてだったんだもん。
車があれば、こんな風にどこにでも行けるんだね。
すっかり気に入ってしまったよ。



ドライブ中に、私は健人さんのことを訊ねてみた。
それは、ガッキーに何か教えてあげることがあるかな？って思ったから。
でも、あまり個人的なことは話さないらしくって、そんなに重要そうなことは残念ながら聞けなかった。