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明けの明星

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次の日、ミシェルは見知らぬ男を連れてやって来た。
小太りで薄汚い男だった。



「な、なんなんだ…?」

「ほらね、嘘じゃないでしょう?」

「なるほどな、そりゃあ、あんたも大変だな。」

「そうなのよ。
かといって、このままこの人を放っておくわけにもいかないし、子供も育てていかなくてはいけない。
だから、お金が必要なの。」

「あぁ、わかった。
なら、協力しよう。」

「ありがとう、嬉しいわ!」

ミシェルは男の太い首を腕をまわし、男の締まりのない唇に自分の唇を重ねた。


「ミシェル、何の真似だ…」

「あなたは黙ってりゃ、良いのよ。じゃあ、隣の部屋に行きましょう…」

「隣で?!おいおい、いいのか?」

「良いのよ。この人のためなんだもの。
この人だってわかってくれるわ。」

「ミ、ミシェル!」



隣の部屋から聞こえて来るミシェルの悩ましげな声にパトリックは唇を噛み締めた。

(ルシファー…なんて惨いことを…)



しばらくすると、乱れた髪のミシェルが部屋に戻って来た。



「パトリック神父、あの男はたいそう満足して帰って行ったぞ。
この女はけっこう良い身体をしてるんだな。
なんだ、泣いているのか?
泣く事はないじゃないか。ほら、これが今、稼いだ金だ。
これからもこの女はお前のためにこうやっていろんな男に身体を売って金を稼いでくれるんだ。
本当に美しい夫婦愛だな。」

「おまえという奴は…」

パトリックは、涙で潤んだ瞳でミシェルを睨みつける。

ミシェルは声をあげて笑い、そして、がっくりとくず折れた。


「あなた~~!!」

起きあがったミシェルはパトリックの身体に突っ伏して泣いた。



「ミシェル…すまない…許してくれ…」

「あなたのせいじゃないわ…
でも、あの悪魔は私の身体を…それに、アシュリーを監禁して…」

「ミシェル…」

再び、ミシェルの視線が冷たいものに変わった。



「感動の再会はもうそのくらいで良いだろう。
今、この女が言った通りだ。
この女はこれから毎日男を垂らしこみ、お前や子供を養う金を稼ぐ。
どうだ?楽しいだろう?
尊敬される神父様のお美しい奥様にぴったりの職業ではないか。」

「なんということを…!
私はどうなっても良い!
だが、妻をそんなことに使うのはどうかやめてくれ!」


 
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