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小人達の大宴会

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マリュナの隣には一人のリュタンが座り、親しげに話しかけているではないか!

「カイラ!」

「知ってるのか?」

「知ってますよ。
あいつは、ボクとおない年なんですが、口がうまくてちゃらんぽらんな女たらしなんですよ。
あいつ、マリュナにまで手を出す気なのか…!」

「…けっこう男前じゃないか。
マリュナもまんざらじゃないみたいだぞ。
あのままじゃ、もしかしたらあの二人は…」

「冗談じゃない!
あんな女たらしにひっかかったら、マリュナは…」

「じゃ、おまえも話をしてこいよ!」

「で…でも…ボク」

「まったく、じれったい奴だなぁ…
ほら、これをぐいっとやれ!ぐいっと!
そしたら元気が出るぞ!」

「ボク…お酒は…」

「いいから、いいから。
一口だけ飲んでみろってば!」

リンクに酒を押しつけられたアルグは仕方なくそのグラスを飲み干した。

「……あれ…?
意外とおいしいもんですね。
もっとまずいのかと思ってましたよ。」

「おまえ、まだ一度も酒を飲んだ事なかったのか?」

「ええ、初めてです!
こんなにおいしいものなら、もっと早くに飲んでみれば良かったです。」

アルグはそんなことを言いながら、立て続けにぐいぐいとあおっている。

「おいおい。いいかげんにしとけよ!
これは口当たりは良いがけっこうきつい酒なんだぞ!」

「大丈夫ですってば…!
野いちごのジュースとほとんど変わりないですよ。」

「本当に大丈夫なのか?」

しばらくすると、アルグの様子がだんだんとおかしくなってきた。
特におかしくない話にも馬鹿笑いをしている。

「おい、アルグ、もうそのくらいにしておけ!」

「大丈夫ですって!ボクはなんともありませんから。
それより、おじさん!変な魔法を使うのはやめて下さいよ!」

「何のことだ?」

「何のって…それは分身の魔法ですか?
おじさんが三人もいる…ハハハハハ」

アルグはリンクを指差して腹を抱えて笑っている。

(まずい…アルグのヤツ、かなり酔ってるな…)

「アルグ、ちょっと向こうで風にあたらないか?」

「いやですよ!
ボクはこれから、マリュナにプロポーズしてくるんですから!
マリュナ~!」

「お、おい、アルグ!」

アルグはリンクが止めるのも聞かずに、マリュナの側へ行ってしまった。

 
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