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「そうだったんですか…そんなことが…
では、この子はあんな怖ろしい想いをしたこともきっと何も覚えてはいないのでしょうね…
良かった…」
「そうだろうか…
その代わり、この子はオルジェやケイトのことも覚えてはいないだろう…
それが幸せなのかどうかは疑問だな…」
「アズラエルさん、それでもきっとケイトやオルジェはその方が良かったと想うはずです。
彼らならきっと…」
「……そうだな。
きっと、あんたの言う通りだ…」
ルシファーは、ランディの背中ですやすやと眠っていた。
「ランディ、私はイアンさんと一緒にトレルを迎えに行って来る。
身体のしびれも良くなっきてるようだが、彼はまだ少し体調が良くないようなのでな。
明日の夜、ここで落ち合おう。」
「トレルも無事なんだな。良かったぜ。
じゃあ、明日の夜に…」
イアンとアズラエルは、トレルを迎えに山間の村へ向かった。
*
「アズラエルさん…実は隠してましたが、皆が驚く事があるんですよ。」
「驚く事?何なんです?」
「それは、トレルに会えばわかります。」
イアンはおかしそうに肩をすくめた。
*
やがて、村に着き、トレルに会ったアズラエルは、イアンの言った「驚き」の意味を悟った。
「私は今まで人間と悪魔の間に子が生まれたという話は聞いたことがない…
今でも、とても信じられない想いだ…」
「俺もだよ…
でも、エルスールの子が俺以外の男の子供だとは思えないからな…
だから、この子は…オルジェスはやっぱり俺とエルスールの子なんだ…」
「この子にオルジェスと名付けたのか…!
……あんたらしいな。」
アズラエルは静かに微笑んだ。
*
次の日、トレルとイアンは世話になった村人達に礼をのべ、村を後にした。
「トレル!!無事だったんだな!心配したぜ!
ところで……その子は誰の子なんだ?」
「ランディこそ、なんだよ、その子。」
「わからないのか!この子はルシファーさ!」
「ええーーーっ!この子がルシファー!
いつの間にこんなにちっちゃくなっちまったんだ?」
「詳しいことはおいおい話していくよ。
それより、その子は…」
「この子は…その…」
「エルスールとトレルの子供ですよ。」
「えええーーーーーーっっ!!」
横から口を出したイアンの言葉に、リュタン達とランディは声を揃えて叫んだ。
では、この子はあんな怖ろしい想いをしたこともきっと何も覚えてはいないのでしょうね…
良かった…」
「そうだろうか…
その代わり、この子はオルジェやケイトのことも覚えてはいないだろう…
それが幸せなのかどうかは疑問だな…」
「アズラエルさん、それでもきっとケイトやオルジェはその方が良かったと想うはずです。
彼らならきっと…」
「……そうだな。
きっと、あんたの言う通りだ…」
ルシファーは、ランディの背中ですやすやと眠っていた。
「ランディ、私はイアンさんと一緒にトレルを迎えに行って来る。
身体のしびれも良くなっきてるようだが、彼はまだ少し体調が良くないようなのでな。
明日の夜、ここで落ち合おう。」
「トレルも無事なんだな。良かったぜ。
じゃあ、明日の夜に…」
イアンとアズラエルは、トレルを迎えに山間の村へ向かった。
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「驚く事?何なんです?」
「それは、トレルに会えばわかります。」
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*
やがて、村に着き、トレルに会ったアズラエルは、イアンの言った「驚き」の意味を悟った。
「私は今まで人間と悪魔の間に子が生まれたという話は聞いたことがない…
今でも、とても信じられない想いだ…」
「俺もだよ…
でも、エルスールの子が俺以外の男の子供だとは思えないからな…
だから、この子は…オルジェスはやっぱり俺とエルスールの子なんだ…」
「この子にオルジェスと名付けたのか…!
……あんたらしいな。」
アズラエルは静かに微笑んだ。
*
次の日、トレルとイアンは世話になった村人達に礼をのべ、村を後にした。
「トレル!!無事だったんだな!心配したぜ!
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「わからないのか!この子はルシファーさ!」
「ええーーーっ!この子がルシファー!
いつの間にこんなにちっちゃくなっちまったんだ?」
「詳しいことはおいおい話していくよ。
それより、その子は…」
「この子は…その…」
「エルスールとトレルの子供ですよ。」
「えええーーーーーーっっ!!」
横から口を出したイアンの言葉に、リュタン達とランディは声を揃えて叫んだ。
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