241 / 291
scene 13
3
しおりを挟む
(困ったなぁ…どうしよう…)
人間達にはリンクの姿は見えない。
あの場所にルシファーがいなかったのが幸いだった。
おかげで、捕まらずにすんだものの、頼れる者も有効な策も思いつかないまま、リンクは途方に暮れていた。
(酷い目にあった。
あの料理にしびれ薬が仕込まれてたんだな。
とにかく、あと数日後の流星が降る日に、ボク一人でスィーク・レノに行くしかない。
イアン達は大丈夫だったんだろうか?
心配だけど、ボク一人ではどうしようもない…
どこへ連れて行かれたのさえわからないんだから…
あぁ、こんな時にランディでもいてくれたらなぁ…)
そんなことを思っても、事態が変わるわけではない。
リンクは、ルシファーにみつからないようにあの場所へ向かって行った。
*
「アズラエルさん…
御加減はいかがですか?」
部屋に入って来たのは、ヒューゴだった。
「ご心配をおかけしました。
もう大丈夫です。」
アズラエルは上体を起こしてみせた。
「あなたの身体の半分が苦しんでいる…」
「…え…?」
「いえ…ミューラント様がそうおっしゃっていたものですから…
私にも意味はわからないのです。
それで、ミューラント様からのご伝言なのですが、明日の夜、ここを一緒に出発するということですので、ご準備下さい。」
「明日の夜?なぜ、その時なんだ?」
「本来ならばその二日後なのですが、万一、ルシファーが外で待ち構えていてはいけないとの配慮からだそうです。」
「ミューラント様がルシファーを倒してくれるのか?」
「詳しいことは私にはわかりません。
とにかく明日の夜なのです…」
「わかりました。
ミューラント様にどうぞよろしくお伝え下さい。」
ヒューゴは、深深と頭を下げ、部屋を出て行った。
「聞きましたか!?
ミューラント様が一緒に行って下さるってことはよほどのことですよ!」
「これで、やっとルシファーのことも解決するんだな!」
「それに、やっとケイトさんにも会える…でしょ?」
「ランディ、こんなチビスケにからかわれるとは、あんたも形無しだな。」
「本当のことだから、仕方ないな。
それより、アズラエル、身体の方は大丈夫なのか?」
「あぁ…たいしたことはない…」
「そういえば、身体の半分が苦しんでる…って、一体何のことなんだ?」
「さぁな…」
人間達にはリンクの姿は見えない。
あの場所にルシファーがいなかったのが幸いだった。
おかげで、捕まらずにすんだものの、頼れる者も有効な策も思いつかないまま、リンクは途方に暮れていた。
(酷い目にあった。
あの料理にしびれ薬が仕込まれてたんだな。
とにかく、あと数日後の流星が降る日に、ボク一人でスィーク・レノに行くしかない。
イアン達は大丈夫だったんだろうか?
心配だけど、ボク一人ではどうしようもない…
どこへ連れて行かれたのさえわからないんだから…
あぁ、こんな時にランディでもいてくれたらなぁ…)
そんなことを思っても、事態が変わるわけではない。
リンクは、ルシファーにみつからないようにあの場所へ向かって行った。
*
「アズラエルさん…
御加減はいかがですか?」
部屋に入って来たのは、ヒューゴだった。
「ご心配をおかけしました。
もう大丈夫です。」
アズラエルは上体を起こしてみせた。
「あなたの身体の半分が苦しんでいる…」
「…え…?」
「いえ…ミューラント様がそうおっしゃっていたものですから…
私にも意味はわからないのです。
それで、ミューラント様からのご伝言なのですが、明日の夜、ここを一緒に出発するということですので、ご準備下さい。」
「明日の夜?なぜ、その時なんだ?」
「本来ならばその二日後なのですが、万一、ルシファーが外で待ち構えていてはいけないとの配慮からだそうです。」
「ミューラント様がルシファーを倒してくれるのか?」
「詳しいことは私にはわかりません。
とにかく明日の夜なのです…」
「わかりました。
ミューラント様にどうぞよろしくお伝え下さい。」
ヒューゴは、深深と頭を下げ、部屋を出て行った。
「聞きましたか!?
ミューラント様が一緒に行って下さるってことはよほどのことですよ!」
「これで、やっとルシファーのことも解決するんだな!」
「それに、やっとケイトさんにも会える…でしょ?」
「ランディ、こんなチビスケにからかわれるとは、あんたも形無しだな。」
「本当のことだから、仕方ないな。
それより、アズラエル、身体の方は大丈夫なのか?」
「あぁ…たいしたことはない…」
「そういえば、身体の半分が苦しんでる…って、一体何のことなんだ?」
「さぁな…」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
異世界無宿
ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。
アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。
映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。
訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。
一目惚れで購入した車の納車日。
エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた…
神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。
アクション有り!
ロマンス控えめ!
ご都合主義展開あり!
ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。
不定期投稿になります。
投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。
兎人ちゃんと異世界スローライフを送りたいだけなんだが
アイリスラーメン
ファンタジー
黒髪黒瞳の青年は人間不信が原因で仕事を退職。ヒキニート生活が半年以上続いたある日のこと、自宅で寝ていたはずの青年が目を覚ますと、異世界の森に転移していた。
右も左もわからない青年を助けたのは、垂れたウサ耳が愛くるしい白銀色の髪をした兎人族の美少女。
青年と兎人族の美少女は、すぐに意気投合し共同生活を始めることとなる。その後、青年の突飛な発想から無人販売所を経営することに。
そんな二人に夢ができる。それは『三食昼寝付きのスローライフ』を送ることだ。
青年と兎人ちゃんたちは苦難を乗り越えて、夢の『三食昼寝付きのスローライフ』を実現するために日々奮闘するのである。
三百六十五日目に大戦争が待ち受けていることも知らずに。
【登場人物紹介】
マサキ:本作の主人公。人間不信な性格。
ネージュ:白銀の髪と垂れたウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。恥ずかしがり屋。
クレール:薄桃色の髪と左右非対称なウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。人見知り。
ダール:オレンジ色の髪と短いウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。お腹が空くと動けない。
デール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。
ドール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。
ルナ:イングリッシュロップイヤー。大きなウサ耳で空を飛ぶ。実は幻獣と呼ばれる存在。
ビエルネス:子ウサギサイズの妖精族の美少女。マサキのことが大好きな変態妖精。
ブランシュ:外伝主人公。白髪が特徴的な兎人族の女性。世界を守るために戦う。
【お知らせ】
◆2021/12/09:第10回ネット小説大賞の読者ピックアップに掲載。
◆2022/05/12:第10回ネット小説大賞の一次選考通過。
◆2022/08/02:ガトラジで作品が紹介されました。
◆2022/08/10:第2回一二三書房WEB小説大賞の一次選考通過。
◆2023/04/15:ノベルアッププラス総合ランキング年間1位獲得。
◆2023/11/23:アルファポリスHOTランキング5位獲得。
◆自費出版しました。メルカリとヤフオクで販売してます。
※アイリスラーメンの作品です。小説の内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
私を虐げた人には絶望を ~貧乏令嬢は悪魔と呼ばれる侯爵様と契約結婚する~
香木あかり
恋愛
「あなた達の絶望を侯爵様に捧げる契約なの。だから……悪く思わないでね?」
貧乏な子爵家に生まれたカレン・リドリーは、家族から虐げられ、使用人のように働かされていた。
カレンはリドリー家から脱出して平民として生きるため、就職先を探し始めるが、令嬢である彼女の就職活動は難航してしまう。
ある時、不思議な少年ティルからモルザン侯爵家で働くようにスカウトされ、モルザン家に連れていかれるが……
「変わった人間だな。悪魔を前にして驚きもしないとは」
クラウス・モルザンは「悪魔の侯爵」と呼ばれていたが、本当に悪魔だったのだ。
負の感情を糧として生きているクラウスは、社交界での負の感情を摂取するために優秀な侯爵を演じていた。
カレンと契約結婚することになったクラウスは、彼女の家族に目をつける。
そしてクラウスはカレンの家族を絶望させて糧とするため、動き出すのだった。
「お前を虐げていた者たちに絶望を」
※念のためのR-15です
※他サイトでも掲載中
【完結】魔法は使えるけど、話が違うんじゃね!?
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「話が違う!!」
思わず叫んだオレはがくりと膝をついた。頭を抱えて呻く姿に、周囲はドン引きだ。
「確かに! 確かに『魔法』は使える。でもオレが望んだのと全っ然! 違うじゃないか!!」
全力で世界を否定する異世界人に、誰も口を挟めなかった。
異世界転移―――魔法が使え、皇帝や貴族、魔物、獣人もいる中世ヨーロッパ風の世界。簡易説明とカミサマ曰くのチート能力『魔法』『転生先基準の美形』を授かったオレの新たな人生が始まる!
と思ったが、違う! 説明と違う!!! オレが知ってるファンタジーな世界じゃない!?
放り込まれた戦場を絶叫しながら駆け抜けること数十回。
あれ? この話は詐欺じゃないのか? 絶対にオレ、騙されたよな?
これは、間違った意味で想像を超える『ファンタジーな魔法世界』を生き抜く青年の成長物語―――ではなく、苦労しながら足掻く青年の哀れな戦場記録である。
【注意事項】BLっぽい表現が一部ありますが、BLではありません
(ネタバレになるので詳細は伏せます)
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
2019年7月 ※エブリスタ「特集 最強無敵の主人公~どんな逆境もイージーモード!~」掲載
2020年6月 ※ノベルアップ+ 第2回小説大賞「異世界ファンタジー」二次選考通過作品(24作品)
2021年5月 ※ノベルバ 第1回ノベルバノベル登竜門コンテスト、最終選考掲載作品
2021年9月 9/26完結、エブリスタ、ファンタジー4位
前世ポイントッ! ~転生して楽しく異世界生活~
霜月雹花
ファンタジー
17歳の夏、俺は強盗を捕まえようとして死んだ――そして、俺は神様と名乗った爺さんと話をしていた。話を聞けばどうやら強盗を捕まえた事で未来を改変し、転生に必要な【善行ポイント】と言う物が人より多く貰えて異世界に転生出来るらしい。多く貰った【善行ポイント】で転生時の能力も選び放題、莫大なポイントを使いチート化した俺は異世界で生きていく。
なろうでも掲載しています。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる