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scene 13
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「およしなさい、アルヴィン!
そんなことをしては、あなたもこのルシファーと同じになってしまいます。」
「ですが、イアン牧師…」
「そんなことよりも、早く、エルスールとトレルを助けなければ…!」
神の鎖は、さらにルシファーをきつく締め上げ、ルシファーは気を失ったのかその場でぐったりとしていた。
「さ、エルスールさん!
逃げるんです!頑張るんですよ!」
エルスールは、かなり危険な状態だ。
おそらく助からないであろうということは、イアンにもわかっていた。
「イ…イアン…
た…頼みがある…」
「エルスールさん、しゃべらないで。
必ず、助けますから…」
「わ…私は、も…もう…だめだ…
最後の頼みを…聞いて…くれ…」
「エルスールさん、何を弱気なことを言ってるんですか!
頑張るんです!」
「イアン…」
エルスールは、イアンに顔を寄せ、何事かを囁いた。
「そ、そんなことが…!
信じられない…!」
「た…のむ…
わ、私の…最後の頼みだ…は、早く!」
イアンは、エルスールの顔をじっとみつめていたが、やがて心が決まったかのように、深く頷いた。
「わかりました…」
「あ…ありがとう…」
そう呟くと、エルスールはトレルの方に視線を落とした。
「トレ…ル…」
その言葉と同時に、イアンの指が彼女の腹に深深と差しこまれ、その腹を引き裂いた。
貯蔵庫の中に、エルスールの断末魔の叫びが悲しく響く…
「イ…アン…なぜ…」
トレルの目が大きく見開かれた。
イアンの手は、エルスールの腹の中を探り…そして、引き抜かれたその手に掴まれていたものは、小さな赤子だった。
イアンが赤子にまとわりつく赤い血を自分の袖をひきさいた布で拭うと、赤子は元気な産声を上げた。
「……エルスール…
無事でしたよ…
あなたの子は…あなたとトレルの子は、無事に生まれましたよ!!」
「ま…ま…さ…か……」
イアンは、赤子を自分の懐におさめ、トレルを背負うと貯蔵庫を抜け出した。
「イ…アン…」
「トレル…話は後です。
今は、とにかく少しでもここから離れること…
すべてはそれからです!」
イアンにはトレルの言いたいことはわかっていた。
だが、自分一人では、トレルを背負うのが精一杯だ。
エルスールの亡骸をそのままにしておくことには心が痛んだが、彼にはどうすることも出来なかった。
そんなことをしては、あなたもこのルシファーと同じになってしまいます。」
「ですが、イアン牧師…」
「そんなことよりも、早く、エルスールとトレルを助けなければ…!」
神の鎖は、さらにルシファーをきつく締め上げ、ルシファーは気を失ったのかその場でぐったりとしていた。
「さ、エルスールさん!
逃げるんです!頑張るんですよ!」
エルスールは、かなり危険な状態だ。
おそらく助からないであろうということは、イアンにもわかっていた。
「イ…イアン…
た…頼みがある…」
「エルスールさん、しゃべらないで。
必ず、助けますから…」
「わ…私は、も…もう…だめだ…
最後の頼みを…聞いて…くれ…」
「エルスールさん、何を弱気なことを言ってるんですか!
頑張るんです!」
「イアン…」
エルスールは、イアンに顔を寄せ、何事かを囁いた。
「そ、そんなことが…!
信じられない…!」
「た…のむ…
わ、私の…最後の頼みだ…は、早く!」
イアンは、エルスールの顔をじっとみつめていたが、やがて心が決まったかのように、深く頷いた。
「わかりました…」
「あ…ありがとう…」
そう呟くと、エルスールはトレルの方に視線を落とした。
「トレ…ル…」
その言葉と同時に、イアンの指が彼女の腹に深深と差しこまれ、その腹を引き裂いた。
貯蔵庫の中に、エルスールの断末魔の叫びが悲しく響く…
「イ…アン…なぜ…」
トレルの目が大きく見開かれた。
イアンの手は、エルスールの腹の中を探り…そして、引き抜かれたその手に掴まれていたものは、小さな赤子だった。
イアンが赤子にまとわりつく赤い血を自分の袖をひきさいた布で拭うと、赤子は元気な産声を上げた。
「……エルスール…
無事でしたよ…
あなたの子は…あなたとトレルの子は、無事に生まれましたよ!!」
「ま…ま…さ…か……」
イアンは、赤子を自分の懐におさめ、トレルを背負うと貯蔵庫を抜け出した。
「イ…アン…」
「トレル…話は後です。
今は、とにかく少しでもここから離れること…
すべてはそれからです!」
イアンにはトレルの言いたいことはわかっていた。
だが、自分一人では、トレルを背負うのが精一杯だ。
エルスールの亡骸をそのままにしておくことには心が痛んだが、彼にはどうすることも出来なかった。
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