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「じゃあ、リンダさん、頼みますよ。」
「わかりました。
でも、なにかあったら、すぐに来て下さいよ。」
「大丈夫です。
私達がここで見守ってますから。」
「エルスールさ~ん!エルスールさ~ん!」
リンダは暗い裏山をエルスールの名を呼びながら歩く。
「リンダ!どうしたんだ、こんな所に…」
「あ…!エルスールさん…
やっぱり、まだルシファーを探して下さってたんですね。」
「あ…あぁ、まぁな。」
「さっきはすぐに出て行かれたし、おなかが減ってらしゃるんじゃないかと思いまして…」
リンダはエルスールにバスケットを手渡した。
「そうだったのか…すまなかったな。」
「エルスールさん、明日になったらまた私達も探しますから、無理はしないで下さいね。」
「あぁ、ありがとう。
暗いから気を付けて帰ってくれよ。」
「はい。私は大丈夫です。」
*
「エルスール、誰だった?」
「リンダだ。
食べるものを持って来てくれた。」
「やったーーー!
ボク、おなかがぺこぺこだったんだ!」
「おかしいですね。
なぜ、その人はエルスールがここにいることを知ってたんでしょう?」
「ここは農場からは近いからじゃないか。
私がルシファーを探してると思ってたようだ。」
「イアン牧師、リンダは農場に働いてる人で、特にあやしい人じゃない。
彼女は大丈夫だ。」
「そうですか…なら、良いんですが…」
「イアン、ルシファーのことでちょっと神経が高ぶってるんじゃないか?
そんなに神経質になってたら身体がもたないよ。」
「そうですね…
あと数日あるのですから、緊張し過ぎてもよくありませんね。
では、いただきましょうか。」
「食べ物を見たら、急に腹が空いて来たよ。」
皆は、リンダの持って来た食べ物に手を付けた。
「これはうまい!」
「そういえば、ここの所、ほとんど食べてませんでしたね。」
「リンダは料理がうまいからな。」
しばらくすると、リンダの手料理に舌鼓を打っていた四人の手が急に止まった。
「な、なんか、おかしくないか…」
「これは…しびれ薬…」
「そ…そんな…
なぜ、リ…ンダが…」
身体の自由を奪われ、言葉さえうまく喋れなくなった時、洞窟内に男達が雪崩込んで来た。
「わかりました。
でも、なにかあったら、すぐに来て下さいよ。」
「大丈夫です。
私達がここで見守ってますから。」
「エルスールさ~ん!エルスールさ~ん!」
リンダは暗い裏山をエルスールの名を呼びながら歩く。
「リンダ!どうしたんだ、こんな所に…」
「あ…!エルスールさん…
やっぱり、まだルシファーを探して下さってたんですね。」
「あ…あぁ、まぁな。」
「さっきはすぐに出て行かれたし、おなかが減ってらしゃるんじゃないかと思いまして…」
リンダはエルスールにバスケットを手渡した。
「そうだったのか…すまなかったな。」
「エルスールさん、明日になったらまた私達も探しますから、無理はしないで下さいね。」
「あぁ、ありがとう。
暗いから気を付けて帰ってくれよ。」
「はい。私は大丈夫です。」
*
「エルスール、誰だった?」
「リンダだ。
食べるものを持って来てくれた。」
「やったーーー!
ボク、おなかがぺこぺこだったんだ!」
「おかしいですね。
なぜ、その人はエルスールがここにいることを知ってたんでしょう?」
「ここは農場からは近いからじゃないか。
私がルシファーを探してると思ってたようだ。」
「イアン牧師、リンダは農場に働いてる人で、特にあやしい人じゃない。
彼女は大丈夫だ。」
「そうですか…なら、良いんですが…」
「イアン、ルシファーのことでちょっと神経が高ぶってるんじゃないか?
そんなに神経質になってたら身体がもたないよ。」
「そうですね…
あと数日あるのですから、緊張し過ぎてもよくありませんね。
では、いただきましょうか。」
「食べ物を見たら、急に腹が空いて来たよ。」
皆は、リンダの持って来た食べ物に手を付けた。
「これはうまい!」
「そういえば、ここの所、ほとんど食べてませんでしたね。」
「リンダは料理がうまいからな。」
しばらくすると、リンダの手料理に舌鼓を打っていた四人の手が急に止まった。
「な、なんか、おかしくないか…」
「これは…しびれ薬…」
「そ…そんな…
なぜ、リ…ンダが…」
身体の自由を奪われ、言葉さえうまく喋れなくなった時、洞窟内に男達が雪崩込んで来た。
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