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*
(畜生!!逃げやがったか…)
ルシファーは、リンクのいた木の根元をみつめ、拳を震わせた。
(エルスールの仕業か…?
こんなことなら、あいつも早いうちに始末しておけば良かった…
いや、そもそもはあいつを助けたのが失敗だったか…)
ルシファーは、木の根っ子にもたれて座りこんだ。
(これから、どうする…
ここが開けないなら、奴らが戻るのを待つしかないが…
リンクがいなくなった以上、代わりの人質が必要だな。
仕方がない。あの母上を迎えに行くとするか…)
薄ら笑いを浮かべたルシファーは、ゆっくりと立ちあがり、農場へ向かって歩き出した。
*
「リンダさん!」
「……どなたです?」
「わからないのも無理はありませんね…僕です。ルシファーですよ。
母さんはどこです?」
「ルシファー?
馬鹿なことをお言いでないよ。
ルシファーはまだこんな小さな男の子で…」
「そのことについては事情があるんです。
あとでゆっくり話します。
それで…母さんは……」
「ま…まさか…
でも、確かにルシファーの面影はある…
あんた、本当にあのルシファーなのかい?!」
「信じられないのも無理はないですが、本当のことですよ。」
「ルシファー…!!
あんた、どこに行ってたのさ!!
あんたのお母さんが大変なことになったんだよ!!
早く、こっちへ!」
「大変なこと?一体、どうしたんです?」
リンダは、ルシファーを母家の居間へ案内した。
「こ…これは…!!」
それはルシファーにとっても意外なことだった。
まさか、ケイトが亡くなっているなんて考えてもいなかったのだから。
「リンダ…この人は?」
「この人は…ルシファーだそうです。」
「ルシファー?そんな馬鹿な…
ルシファーは、まだ小さな子供じゃないか。」
「母さん!!」
ルシファーは、ケイトの亡骸にとりすがり涙を流し始めた。
(畜生!!逃げやがったか…)
ルシファーは、リンクのいた木の根元をみつめ、拳を震わせた。
(エルスールの仕業か…?
こんなことなら、あいつも早いうちに始末しておけば良かった…
いや、そもそもはあいつを助けたのが失敗だったか…)
ルシファーは、木の根っ子にもたれて座りこんだ。
(これから、どうする…
ここが開けないなら、奴らが戻るのを待つしかないが…
リンクがいなくなった以上、代わりの人質が必要だな。
仕方がない。あの母上を迎えに行くとするか…)
薄ら笑いを浮かべたルシファーは、ゆっくりと立ちあがり、農場へ向かって歩き出した。
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「リンダさん!」
「……どなたです?」
「わからないのも無理はありませんね…僕です。ルシファーですよ。
母さんはどこです?」
「ルシファー?
馬鹿なことをお言いでないよ。
ルシファーはまだこんな小さな男の子で…」
「そのことについては事情があるんです。
あとでゆっくり話します。
それで…母さんは……」
「ま…まさか…
でも、確かにルシファーの面影はある…
あんた、本当にあのルシファーなのかい?!」
「信じられないのも無理はないですが、本当のことですよ。」
「ルシファー…!!
あんた、どこに行ってたのさ!!
あんたのお母さんが大変なことになったんだよ!!
早く、こっちへ!」
「大変なこと?一体、どうしたんです?」
リンダは、ルシファーを母家の居間へ案内した。
「こ…これは…!!」
それはルシファーにとっても意外なことだった。
まさか、ケイトが亡くなっているなんて考えてもいなかったのだから。
「リンダ…この人は?」
「この人は…ルシファーだそうです。」
「ルシファー?そんな馬鹿な…
ルシファーは、まだ小さな子供じゃないか。」
「母さん!!」
ルシファーは、ケイトの亡骸にとりすがり涙を流し始めた。
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