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scene 12

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「そ、それが、なんだって言うの!?」

「……あなたは本当に鈍い人だ。
だからこそ、ずっと気付かなかったんですね…
オルジェを操っていたのが俺だったということに…」

「な…なんですって?
操っていた……?」

「俺はあなたの子ですが、あなたを抱いたのも俺だ…
その意味がわかりますか?!」

ケイトの顔からみるみる血の気がひいていく…



「あんたは俺のことをオルジェだと信じ、愛されてると信じ、俺に抱かれていたってわけですよ。
最初は純情だったあなたが、快楽の虜になっていく様は本当に面白かったですよ。
俺は、ただ新しい器が欲しかっただけ。
だから子作りに励んだ。
オルジェの器は、もうあまり長くはもたないようだったからね。
ただそれだけのことだったのに、あなたと来たら…」

笑いをこらえるように肩を震わせていたルシファーは、やがて声をあげ、大きな口を開けて笑い始めた。
その狂気染みた笑いに、ケイトは思わず耳を塞いだ。



「や、や、やめて…!
あなたは、ルシファーなんかじゃない!
私を騙してるのよ!
オルジェは…本当に私のことを愛しててくれた…」

「そ、そうかな…?
本当に愛してたら、秘密を聞き出すためにランディに抱かれるように仕向けるなんてことするかな…?
いや、しないな。オルジェだったら絶対にしなかっただろうな。」

ルシファーは、腹を抱えて笑い転げ涙を流した。



「あなた…本当に…
じゃあ…あれは、全部あなただったというの…?」

「嘘だと思うなら、今ここで抱いてやろうか?
そうすりゃ、すぐにわかるだろう?
わかってる…あんたもオルジェが死んでから、寂しかったんだろ…?」

ルシファーがケイトの身体を抱き寄せる。



「や、やめて!!
触らないで!!」

ケイトはルシファーを力いっぱい突き飛ばす。



「それじゃあ……私のルシファーは…あの子の魂は…どうなったの!?」

「そんなものはとっくに殺しちまった…邪魔なだけだからな。
この身体は俺のものだ。」

「な…なんて、ひ、ひどいことを!」

目に一杯の涙を溜め、ルシファーに掴みかかるケイトを、ルシファーは軽く足蹴にした。



「良いじゃないか、あんなガキの魂なんか…
子供が欲しいなら、いつだって俺が作ってやるよ。」

ケイトの上にのしかかるルシファーを払いのけ、ケイトは泣きながら農場へ駆け戻った。



(やれやれ…
本当に素直じゃないんだから…)

服に着いた土埃を払うと、ルシファーは何事もなかったように町の方へ向かって歩き出した。

 
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